北京オリンピック会場の構造物監視、 LabVIEW利用で実現

北京オリンピックのメイン会場の構造体を監視しているシステム。右の灰色の筐体がデータ収録装置で、計測/制御向けコンピュータが組み込まれている。手前の黒い筐体に、3軸加速度センサーが収納されている。

National Instruments社は、無線化したデータ計測器の用途を大きく4つ挙げた。

会期2日目の基調講演のデモの様子。地中に埋めた2つのセンサーで測定したデータを演算し必要な情報に変換した。その後に、ホスト側に伝送して見せた。

 2008年8月8日~24日の期間で開催される北京オリンピック。メイン会場である北京国家体育場、通称「鳥巣(Bird's Nest)」では、米National Instruments(ナショナルインスツルメンツ)社の計測/制御アプリケーション・プログラム向けグラフィカル開発ツール「LabVIEW」が、構造体監視(SHM:Structure Health Monitoring)に利用されている。異常な歪みが構造物に加わってないかなどを検出するものだ。同社は、2008年8月5日~7日(米国時間)の日程で開催中のカンファレンス兼展示会「NIWeek 2008」で、北京オリンピックで採用された構造監視システムを実際に披露した。

この構造監視システムそのものは、米CGM Engineering社が開発した。最大64個の3軸加速度センサーと、加速度データの収録装置で構成する。収録装置には、National Instruments社の計測/制御向けコンピュータである「CompactRIO」を組み込んだ。

2つの構造監視システムで、鳥巣の構造物を監視している。仕組みはこうだ。鳥巣全体に加速度センサーを設置し、それぞれの加速度データの時間情報を、GPS信号で同期させる。その上で収録した加速度の情報を基に、どのような共振モードで構造が振動しているかを算出する。この処理は、収録装置に格納したCompactRIOに実装されたアプリケーション・プログラムで実行する。共振モードの時間変化を検出することで、構造物の状態を監視する仕組みである。この構造監視システムは、中国の 100を超える建築物に採用されているという。

無線化を進める

この構造物監視システムでは現在、加速度センサーと、データ収録装置間は有線で接続している。これでは、ケーブル(有線)を敷設するなどの手間が掛かる。

そこでNational Instruments社は、センサー側と、データを処理するホスト側間のデータ伝送を無線化する取り組みを進めている。無線LANインターフェースを備えたデータ測定器(DAQ)をNIWeek 2008で発表した。この測定器には各種センサー・モジュールを接続して使う。

さらに、会期2日目の基調講演では、プロセッサやFPGAを実装した「知的(intelligent)な」(同社)データ測定器を開発中であることを明らかにした。各種センサーで測定したデータを、センサー側であらかじめ処理してホスト側に送ることが可能になる。例えば、大容量のデータを測定してそこから必要な情報のみを算出してホスト側に送れるほか、測定したデータを処理した情報を基に、センサー側の挙動を制御するといったことが可能になるという。

 

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