NECエレクトロニクス、IBM社主導の半導体プロセス開発グループに参加

 米IBM社とNECエレクトロニクスは、次世代の半導体プロセス技術を共同で開発することに合意し、複数年にわたる共同開発契約を締結したと2008年9月11日に発表した。NECエレクトロニクスはこの契約に基づき、32nm世代の次世代CMOSプロセス技術に向けてIBM社が主導する共同開発プロジェクトに合流するとともに、将来の最先端半導体技術に関する先進的な基礎研究に参加する(両社の広報発表資料)。

IBM社と中心としたこの共同開発プロジェクトには、すでにシンガポールChartered Semiconductor Manufacturing社と米Freescale Semiconductor社、ドイツInfineon Technologies社、韓国Samsung Electronics社、スイスSTMicroelectronics社、東芝が参加しており、NECエレクトロニクスは8社目のメンバー企業となる。

IBM社で半導体研究開発センターを率いるバイス・プレジデントのGary Patton氏は、「半導体の微細化がとどまることなく進行する中、基礎的な研究開発に要するコストや、それに伴う設備投資はますます拡大している。われわれが取り組むほかに類がない半導体研究開発の協業モデルは、参加企業各社の投資負担を軽減しながら、より複雑化するチップを実現するとともに、市場投入に要する期間を短縮し、次世代の半導体プロセスに向けた材料や要素技術をより早く統合できるようにする」と述べている。

NECエレクトロニクスは現在、45nm世代と32nm世代のCMOSプロセス技術を東芝と共同で開発しており、今回はこの提携をIBM社とそのパートナ企業各社とともに32nm世代以降のプロセス技術にまで拡張した。NECエレクトロニクスは、IBM社やそのパートナ企業各社とともに、共通のプロセス技術プラットフォームを開発することに加えて、システムLSIの開発や設計力の強化にも共同で取り組む計画である。

NECエレクトロニクスの代表取締役社長である中島俊雄氏は、今回の提携に関する発表資料の中で、「最先端の半導体分野では、各社が基幹プロセスだけで製品の差異化を図ることは難しくなってきており、むしろ世界の有力な半導体メーカーと共通的なプロセス技術を共同で開発することで、プロセス・プラットフォーム構築のコストをシェアすることが重要になっている。当社は、従来の東芝との共同開発に加えて、IBM社との共同開発に直接参加することにより、世界の有力な半導体メーカーと共通的なプロセス・プラットフォームを開発し、その共通的なプラットフォームの上で、当社の優位性であるeDRAM(混載DRAM)プロセスや高信頼、低消費電力といった付加価値を加えたシステムLSIを早期に製品化することにより、ユーザーの期待に応えることを目指す」と述べている。

この共同開発は、米国ニューヨーク州イースト・フィッシュキルにあるIBM社の300mmウエハー対応の先端工場と、米State University of New Yorkのアルバニー校(University at Albany)に設置された研究施設「College of Nanoscale Science and Engineering(CNSE)」で実施される。

すでにIBM社とそのパートナ企業各社は、イースト・フィッシュキル工場で製造したhigh-k/金属ゲート採用の32nmチップについて、動作性能や消費電力の優位性を主張するレポートを発表している。IBM社によれば、45nm技術に比べて、動作性能については同じ動作電圧の場合に35%向上し、消費電力については、動作電圧によって異なるが30~50%も低減できるという。

 

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