【TECHNO 2008】 ベルニクスの高速DC-DCコン、アルミナ基板にインダクタ内蔵
10mm×10mm×2mmと小さいDC-DCコンバータ・モジュール。出力電力は16Wである。
制御回路を集積したチップとパワーMOS FETなどをまとめたマルチチップ・モジュール(図中のMCM-IC)を搭載する。スイッチング周波数は3MHzと高い。
ベルニクスは、アルミナ基板にインダクタを内蔵することで厚みを最大2.0mmに抑えたDC-DCコンバータ・モジュール「BSV-nanoシリーズ」を開発し、「TECHNO-FRONTIER 2008」(2008年4月16日~18日、千葉県幕張メッセ)に参考出品した。出力電圧は0.6~3.3V、出力電流は最大5A。すなわち約16Wの出力電力を確保した。負荷変動に対する応答特性が極めて高いことを特徴とする同社従来品「BSVシリーズ」の次世代品と位置付け、2008年末に発売する予定だ。低電圧かつ大電流で動作するハイエンドのFPGAやDSPなどのPOL(Point of Load)電源として使える。
同社はすでにSi(シリコン)基板にインダクタを作り込むことで、20W出力に対応しながらも厚みを1.85mmに抑えた「BKシリーズ」を製品化している(参考記事)。今回のBSV-nanoシリーズは、厚みは2.0mmとわずかに大きいものの、負荷応答特性が「従来のBSVシリーズと同等」(同社の説明員)と高いことに加えて、出力電圧の設定精度を±1%、変換効率を標準94%と、それぞれBKシリーズの±2%、82~89%から向上させている。負荷応答特性は具体的には、負荷電流を0Aから5Aに瞬間的に変化させたときに、出力電圧が設定値に収まるまでの時間が160nsと短い。
アルミナ材料を使うセラミックス多層基板技術を適用し、フェライトと、銅(Cu)材料によるコイルを同時焼成によって一体成型した。「アルミナとフェライト、Cuはいずれも熱膨張係数が異なるため、通常はセラミックス多層基板内に同時焼成することが難しい。当社は焼成プロファイルを2年かけて最適化することで、これを実現した」(同社の代表取締役社長である鈴木正太郎氏)という。
入力電圧範囲は3.0~5.5V。出力のリップル電圧は、入力が5.0Vで出力が3.3V、5Aのときに23mVppに抑えた。実装面積は10mm×10mmと小さい。表面実装に対応し、リフローはんだ付けでプリント基板に搭載可能である。
なお同社は、BSV-nanoシリーズの厚みを、将来的に1.8mmまで薄くする目標を立てている。「1.8mmまで薄型化できれば、FPGAを搭載するプリント基板の裏面に搭載できるようになる。プリント基板を挟んでFPGAの真裏に取り付けられるため、POLとしての特性をさらに高められる」(同氏)。セラミック・コンデンサを薄型化することなどで実現を目指すという。
(薩川格広:EE Times Japan)
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