WHDIコンソーシアム発足へ、AV機器間無線伝送方式に動き

WHDI方式に対応したリファレンス・ボードである。今後、名刺大まで小型化を進めるという。なお、WHDI方式ではMIMO技術や独自の変調方式によって、最大3Gビット/秒の伝送速度を得るとする。

 リビング・ルームにある、高品位(HD)テレビをはじめとしたAV機器間を無線接続するという動きが活発化してきた。2008年1月にWirelessHDコンソーシアムが「WirelessHD(WiHD)」規格を公開したのに続き、イスラエルAMIMON社は、同社独自の無線伝送方式「WHDI(Wireless High Definition Interface)」の普及促進を目的としたコンソーシアムを、2008年8月〜9月ころに立ち上げる意向であることを明らかにした。

 いずれの無線伝送方式も、1080p形式の高品位(HD)映像を非圧縮伝送できることを訴求する。ただし、機器メーカー各社はこれらの方式のうち、どの方式を採用するかについて足並みは揃っていない。そのため、2010年〜2011年にはAV機器への無線機能搭載が本格化すると見られるが、デファクト・スタンダード(事実上の標準)を獲得する争いがここでも起こる可能性がある。

WiHD規格の認証試験は08年夏に開始

 WirelessHD規格とは、60GHz帯の7GHz幅を使う無線伝送方式である。最大4Gビット/秒のデータ伝送速度が得られるとする(参考記事)。この規格を策定したWirelessHDコンソーシアムでは現在、相互接続性を確保するための取り組みを進めている。具体的には、「Evaluator(エバリュエータ)」と呼ぶ計測器メーカーとともに、規格認証試験(コンプライアンス・テスト)と相互接続性試験の策定作業を進めており、2008年8月ころに試験/評価を開始する予定だ。早ければ2008年下半期にも、WirelessHD規格を採用したAV機器が市場に登場しそうだ。同コンソーシアムでChairmanを務めるJohn Marshall氏は、「規格の発表以降、早期参画企業(Early Adapter)の40社に加えて、新たに7〜8社がコンソーシアムに参画した。規格について250件もの問合せがあった」として、普及に強い自信を示した。

 一方、AMIMON社は前述のように、WHDI方式の普及促進を目的としたコンソーシアムを2008年8月〜9月ころに立ち上げる見込みで、日本国内の機器メーカーが数社、韓国の機器メーカーが2社、米国の機器メーカーが1社、参画を予定しているという(2008年3月現在)。同社は、知的財産(IP)の保護を理由にWHDI方式に関する技術の詳細を明らかにしていないが、コンソーシアムへの参画企業に対しては技術内容を一部開示する。技術内容が開示されれば、同社以外の半導体ベンダーもチップ・セットを開発できるようになる見込みである。

 WHDIとは、5GHz帯の40MHz幅を使って最大3.0Gビット/秒のデータ伝送速度が得られるとする無線伝送方式である。ただし現在、AMIMON社が市場に投入しているWHDI方式対応の半導体チップ・セットは、5GHz帯の20MHz幅で最大1.5Gビット/秒のデータ伝送速度を得る第1世代品である。これでは、1080p形式のHD映像(60フレーム/秒で、各色8ビット階調)を非圧縮伝送するのは難しい。現在同社が開発を進める第2世代品を採用すれば、3.0Gビット/秒のデータ伝送速度が確保でき、1080p形式のHD映像を非圧縮伝送できるようになる。第2世代品は、2008年末ころにサンプル出荷を開始する。量産は、2009年前半に開始する予定である。

(前川慎光:EE Times Japan)


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