輝度を20%高めた暖白色LEDをCree社が発売、照明器具に向ける
米Cree社は、同社従来品に比べて、輝度と発光効率を20%程度高めた白色LED「XLamp XR-E/XR-C」を発売した。この改善によって、室内で使用する暖白色照明器具への適用が可能になったとしている。同社で固体照明担当のマーケティング・ディレクタを務めるPaul Thieken氏は、「これは暖白色LEDにおけるブレークスルーだ。一般照明器具を白色LEDに適用する際のいくつかの課題を解決した。そのうちの1つは、駆動電流の最大値を700mAまで高めたことだ。この結果、142lm(ルーメン)という光束を実現できるようになった。もう1つは、色度の安定性を確保したことである。これは照明器具の設計者にとって重要な意味を持つ」と述べた。こうした改善を施すことで、「さまざまな新しいアプリケーションに対応できる新世代の暖白色LEDが誕生した」と同氏は主張する。XR-EとXR-Cの量産はすでに開始している。価格は明らかにしていない。
開発した白色LEDは、駆動電流が700mAの場合、色温度が4000K(ケルビン)の際に光束は142lm、3000Kの際に光束は124lmである。発光効率は、駆動電流が350mAの場合、色温度が3000Kの際に73lm/W、もしくは63lm/Wである。「競合他社品や当社従来品の発光効率は50lm/W以下だった」(Thieken氏)。具体的な用途としては、これまで白熱電球を使っていた天井照明や、アンダーキャビネット用照明などがある。
照明器具メーカーの米LED Lighting Fixtures(LLF)社では、直径が6インチ(15.2cm)の業務用/天井用照明器具に、Cree社のXR-Eを採用する予定だ。照明器具の光束は約650lmで、発光効率は60lm/Wに達する。LLF社は2007年第2四半期に、色温度が2700Kの暖白色照明器具と、色温度が3500Kの冷白色照明器具を製品化する予定だ。LLF社のCEO(最高経営責任者)を務めるNeal Hunter氏は、「主要製品に採用可能な白色LEDがついに完成したと考えている。この技術は照明業界に変化をもたらすだけでなく、一般消費者の照明に対する考え方も変えてしまうだろう」と語った。
これまで暖白色LEDの色度の安定性を確保することは、製造上の問題から困難だとされてきた。しかし今回、Cree社が新たに製品化した白色LEDでは、色温度の変化を最小限に抑えられるという。「色温度は、測定可能は範囲である程度変化するが、肉眼では感知できない」と同社で固体照明製品担当のマーケティング・マネジャーを務めるPaul Scheidt氏は述べる。同氏によると、今回の白色LEDは輝度と発光効率が向上したほか、1米ドル当たりの光束も高まったという。この値は、照明業界が注目する数字である。ただし同社は、具体的な値を明らかにしていない。
なお、同社の競合企業である米Philips Lumileds Lighting社は、ウェブサイトに暖白色LED「Luxeon Warm White」を仕様を掲載している。これによると、「LXHL-BW03 emitter」の価格は2.99米ドルで、1米ドル当たりの光束は6.7である。このほか「LXHL-MWGC Star Hex」の価格は3.59米ドルで1米ドル当たりの光束率は5.6、「LXHL-NWGB Star O」は4.59米ドルで、1ドル当たりの光束は4.4となっている。
Cree社は2007年度第2四半期(2006年10月〜12月)の決算で、8880万米ドルの売上高と1650万米ドルの純利益を計上した。前年同期の売上高は1億560万米ドルで、純利益は1770万ドルだった。いずれも下落している。同社は2007年3月に、香港に拠点を置く高輝度LEDメーカーのCOTCO Luminant Device社を、2億米ドルで買収することに合意した。さらに2006年にはSiC(炭化ケイ素)ウエハーの開発を手掛ける米Intrinsic Semiconductor社を4600万ドルで買収している。Cree社によると、Intrinsic社の買収によって、SiCウエハーの開発が加速し、直径150mm(6インチ)品と同200mm(8インチ)品の実用化が早まるという。
(David Roman:EE Times)
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