16フェーズの電源回路を構成できるPWM制御ICを日本TIが発売

16フェーズで構成した降圧型DC-DCコンバータを評価している様子。デジタル・オシロスコープのチャネル数は多くても4つなので、8フェーズ分(4つのICの出力)の情報しか画面に表示できない。

 日本テキサス・インスツルメンツ(TI)は、最大で16フェーズ(位相)構成の降圧型DC-DCコンバータ回路を実現できるPWM制御IC「TPS40140」を発売した。「16フェーズ構成を可能にするPWM制御ICの製品化は業界初。これまでは12フェーズ構成までしか対応できなかった」(日本TI)。低電圧/大電流動作のプロセッサやDSPに電力を供給する電源回路に向ける。具体的な機器としては、サーバーや通信機器などである。

 発売したICは、PWM制御回路を2つ内蔵しており、2つの電圧出力を安定化する制御を実行できる。この2つの電圧出力は、独立した2つの電圧出力として制御できるほか、2つのフェーズで構成する1つの電圧出力として制御することが可能だ。さらに発売したICを複数個用意し、1つをマスターとして、そのほかをスレーブとして接続すれば、多フェーズで構成した1つの電圧出力を制御できる。従って、8個のICを接続することで、16フェーズの電源回路を実現できることになる。

 同期整流方式に対応する。スイッチング素子は集積していない。外付けで用意する必要がある。1出力当たりの最大出力電流は、使用するスイッチング素子の性能で多少変化するが20A。従って、16フェーズを構成した場合の最大出力電流は320Aに達する。入力電圧範囲は2〜40Vで、出力電圧範囲は0.7〜5.8V。出力電圧は、ユーザーが外付け抵抗を使って設定できる。スイッチング周波数は最大1MHzである。変換効率は、入力電圧が12Vで、出力電圧が1.5V、出力電流が10Aの2フェーズの評価用電源ボードで測定したところ、最大で89%が得られたとしている。

 このほか、多フェーズで構成する電源回路の実現をサポートする機能を2つ用意した。1つは、「電流バランス」機能である。マスターとなるICが、スレーブとして機能するICの出力電流を監視し、すべてのフェーズの出力電流が同じ値になるように制御する。2つ目は、異なる入力電圧に対応する機能である。すなわち、複数個のICを使う多フェーズ構成を採用する際、各ICの入力電圧が違っていても構わない。「1つの電源レールから多くの電力を供給することが難しい場合がある。その場合、複数の電源レールを使えば、電源回路設計が簡単になる」(同社)。

 パッケージは実装面積が6mm角の36端子QFN。1000個購入時の単価は3.30米ドル。評価ボードも用意している。

(山下勝己:EE Times Japan)


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