【CEATEC 2008】HD映像を60GHz帯使い非圧縮で飛ばす、松下と東芝がデモを国内初披露

東芝が披露したデモの様子。テレビの新たなユーザー・インターフェースとともに紹介していた。

 松下電器産業と東芝は、高品位(HD)映像を非圧縮で無線伝送するデモを、エレクトロニクスの総合展示会「シーテック ジャパン 2008(CEATEC)」(2008年9月30日~10月4日に幕張メッセで開催)でそれぞれ見せた。いずれも、60GHz帯を使う無線伝送規格「WirelessHD」を使ったもので、国内では初披露となる。実際の利用シーンを模したデモを見せて、製品化に向けた取り組みが順調に進んでいることをアピールしていた。「競合方式に比べて、製品化のタイミングは一歩遅れているものの、実際にWirelessHD規格を採用した機器が何の問題もなく動作していることを訴求したい」(松下電器産業の説明員)。

松下電器産業が見せたのは、Blu-ray Disc(BD)レコーダに格納されたHD映像を薄型テレビで再生するデモである。無線伝送モジュールが薄型テレビとテレビ・チューナー装置にそれぞれ組み込まれている。BDレコーダとAVアンプ装置、AVアンプ装置とテレビ・チューナー装置の間がそれぞれHDMIケーブルで接続されており、HDMIケーブルを介してBDレコーダからテレビ・チューナー装置に送った映像コンテンツを、薄型テレビに向けて無線で伝送する仕組みである。それぞれの機器は、同社のデジタル家電を相互に接続する「ビエラ・リンク」に対応しており、1つのリモコンですべての機器を操作可能である。「将来は、すべてのHDMIケーブルをWirelessHD規格でワイヤレス化することを検討している」(同社の説明員)。

一方、東芝は、ノート・パソコンに格納したHD映像を、外付けした無線アダプタで、薄型テレビに向けて無線伝送するデモを見せた。同社が開発を進めている「多数のコンテンツの中から、一般消費者それぞれの好みに合ったコンテンツを検索する」という新たなユーザー・インターフェースの仕組みと、HD映像の無線伝送を組み合わせたデモである。次世代の薄型テレビが備える機能を訴求する狙いである。

WirelessHD規格採用機種の製品化に関しては、60GHz帯という高い周波数の電波を使うことに起因した技術的難易度の高さを指摘する声がある。これに対しては、「確かに(数GHz帯を使う方式に比べて)技術的難易度が高いことは間違いない。しかし、一般的な利用状況では、実用上問題なく安定して映像を伝送できる段階まで開発は進んでおり、これを訴求することを目的に試作機を使ったデモを披露している。今後は、例えば、壁が様々な材質の部屋で試験するなどして、製品化に向けた取り組みを進める」(東芝の説明員)。製品化時期に関しては、「2009年中に製品を投入することを想定して、製品開発を進めている」(松下電器産業の説明員)、「実際の製品発表の時期は明らかにできないものの、製品そのものの開発に関しては2009年夏ころの完成を目指す」(東芝の説明員)とした。

 

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