AMD社の「Shanghai」が好調、サーバー市場でインテル社に再挑戦

 米Advanced Micro Devices(AMD)社は、ハイエンド・サーバー市場において、45nmの最新型プロセッサ「Shanghai」の売り上げが好調であり、システム・インテグレータ企業から、高い評価が得られている。またAMD社と米Intel社は両社とも、サーバー向け6コア・プロセッサの発売を2009年に予定している。このためハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC:High Performance Computing)を手掛けるメーカーは、今後長期的に見れば、両社が互角の戦いを展開するとみている。

AMD社が製造した4コア品のShanghaiプロセッサは、当初の予定を前倒しして出荷中だが、詳細はまだ正式発表されていない。ただし、同社でサーバー担当のマーケティング・マネジャーを務めるBurke Banda氏によると、思い切った低価格を設定するという。さらに、65nm技術を適用した前世代の「Barcelona」と比べて性能を約35%も高めながら、消費電力は約30%低減したという。

前世代のBarcelonaでは発表当時、製造上の問題が発生して検証が必要となったために供給が遅れる事態に陥った。それはちょうど、最大のライバルであるIntel社がマルチコア・プロセッサ「Penryn」ファミリの量産を開始し、高い評価を受けていた時期と重なった。このためAMD社は、それまで数年間にわたり時代の先端を走ってきたはずのサーバー向けプロセッサ事業において、多大な損失を出す結果となった。しかし今回、Shanghaiを出荷したことで、業績立て直しの足場固めに成功した。

HPC市場に注力しているシステム・インテグレータである米Penguin Computing社で、チーフ・ハードウエア・アーキテクトを務めるPhilip Pokorny氏は、AMD社が召集したインテグレータ向けパネル会議において、「AMD社のShanghaiを採用したシステムが当社の売上高に占める割合は、飛躍的に増加している。Barcelonaの発売前は、当社が取り扱うプロセッサの比率はAMD社が70%、Intel社が30%だった。しかしその後、この比率は逆転した。現在では拮抗(きっこう)しそうな勢いになっている」と語った。

最先端のスーパーコンピュータ研究所などをはじめとしたユーザーを抱えるインテグレータの米Appro International社で、最先端技術ソリューション担当バイス・プレジデントを務めるJohn Lee氏は、「当社が取り扱うプロセッサは2004年以来、全体の75%がAMD社の製品と、大幅に偏っていた。しかしAMD社のBarcelonaに問題が多かったことから、近年ではIntel社製プロセッサの割合が伸びていた」と述べた。同氏はさらに、「当社のユーザーは現在、Shanghaiに関する評価を行っており、その性能が飛躍的に向上していることを確認した。このためShanghaiは、汎用ワークステーションからスーパーコンピュータ向けソリューションに至るまで、幅広い適用が期待できる」と付け加えた。

しかし、AMD社は現時点では、サーバー向けプロセッサ市場においてIntel社に対する優位性を確立したものの、その勢いは長続きしそうにない。Intel社は2009年後半に、45nm技術を適用して、サーバー向けプロセッサ「Nehalem」ファミリの量産開始を予定しているためだ。このプロセッサは、メモリー・コントローラとの高速インターコネクト技術を搭載しており、AMD社のアーキテクチャに対抗する競合製品となる。

Penguin Computing社のPokorny氏は、「結局のところ、サーバー向けプロセッサ市場をめぐる競争は、Intel社とAMD社との間でリーダーの座を周期的に交代する形となっている。今後も接戦が続くだろう」と語っている。

さらにLee氏は、「まさに競馬のような戦いだ。これから先も、市場における競争は激化するだろう」と付け加えた。

【EE Times Japan注:この記事は、米EE Times誌が米国時間2008年11月7日にオンライン版に掲載した記事の抄訳です。こちらより英語の原文をご覧いただけます。

 

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