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第7部 ストレージ装置、大容量化進むSSD、アクセス速度と耐久性向上

 超小型パソコンやインターネット接続に特化した安価なパソコンを中心にSSD(Solid State Drive)の採用が進んでいる。しかし、記録容量当たりの価格がハード・ディスク装置(HDD)に比べて高いことが普及拡大を妨げる要因とされている。この課題を解決する手段の1つが、多値(MLC:Multi Level Cell)技術を適用したNAND型フラッシュ・メモリーの採用だ。複数のメーカーがMLC技術を採用したSSDを展示した。

 TDKは、記録容量が最大256GバイトのSSD「HS3 シリーズ」を参考出展した。50nmプロセス技術で製造されたMLCのNAND型フラッシュ・メモリー・チップと同社独自の制御(コントローラ)IC「GBDriver HS3」で構成したものである。「SLC(Single Level Cell)のNAND型フラッシュ・チップを採用したSSDと比較すると、同じ記録容量の場合、価格はおよそ1/3である」(同社の説明員)という。

 しかし一般に、MLCチップを採用すると、SSDの耐用年数の低下が懸念される。データを書き換え可能な回数が、SLCチップに比べて大幅に少ないからだ。同社は、制御ICを改良して各種機能を強化することで、SSDの耐用年数を維持した(図1)。強化した機能はいくつかある。まず、エラー訂正符号(ECC)のビット数を、同社従来品のおよそ2倍に相当する15~16ビットに増やした。また、DRAMをキャッシュとして使った。小容量データの書き込み速度を高められるほか、フラッシュ・チップにデータを書き込む回数を減らせる。さらに、「リフレッシュ機能」と呼ぶ新たな機能を搭載した。詳細は明らかにしないが、長時間経過したときにフラッシュ・チップに再度情報を書き直す機能だという。
 

図1

図1 制御ICの役割は大きいTDKが展示したパネルである。NAND型フラッシュ・チップから読み出すデータのBER(Bit Error Rate)を、制御ICが低く抑える。

 

 このような工夫により、「耐用年数は5~10年と、ノート・パソコンに要求されるレベルを確保できた」(同説明員)という。このほか、データの書き込み/読み出し速度をそれぞれ90Mバイト/秒、200Mバイト/秒に高めたほか、セキュリティの観点から採用したデータ暗号化方式AESの暗号鍵のビット数を、128ビットから256ビットに増やした。「今後、制御ICの重要度は、ますます高まるだろう。SSDの性能を高める制御ICを、当社の強みとして訴求していきたい」(同説明員)。展示したSSDの量産は、2009年3月に開始する予定である。

 インテルは、アクセス速度をHDDと比較するデモを見せて、SSDの優位性をアピールした。デモに使用したSSD「X25-M Mainstream」は、同社が2008年8月に発表したもので、記録容量は80Gバイトである(図2)。50nmプロセスで製造したMLCのNAND型フラッシュ・メモリー・チップを採用している。ディスクの回転速度が7200rpmで、記録容量が200Gバイトの2.5インチ型HDDと比較した。同社の説明によると、ストレージの入出力性能を示すIOPS(Input Output per Second)や、データの書き込み/読み出し速度といった性能はいずれも、SSDの方が大幅に高いという結果を得たという。
 

図2

図2 10系統に分けてデータをやりとり
インテルのSSD「X25-M Mainstream」である。NAND型フラッシュ・チップとDRAM、制御ICで構成する。フラッシュ・チップを10系統に分けて制御し、高速化を図った。

 

 このほか、東芝はSSDの採用事例として、記録容量が128Gバイトの品種を搭載したノート・パソコン「dynabook SS RX1」を展示した。「価格は同容量のHDDに比べて10倍と高いものの、モジュール・タイプを使うことで実装スペースを小さく抑えられることや、衝撃や振動に強いといったメリットがSSD採用の決め手になった」(同社の説明員)という。サンプル出荷を2008年9月に開始した、記録容量が256GバイトのSSDも展示していた。MLCのNAND型フラッシュ・チップを採用する。同社のロード・マップによれば、2009年には512 Gバイト品が市場に登場する見込みである。

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