WiMedia Alliance、UWB技術の規格開発をBluetoothとWireless USBの標準化団体に委譲

 UWB(Ultra Wideband)技術の標準化や普及に取り組む業界団体である「WiMedia Alliance」は、策定済みのUWB規格と今後の標準化作業を、Bluetooth規格の標準化団体である「Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)」と、UWB技術を利用してUSBインターフェースの無線化を図る業界団体「Wireless USB Promoter Group」、USB規格の標準化団体「USB Implementers Forum(USB-IF)」の3団体に委譲すると発表した。委譲の完了をもって、WiMedia Alliance自体は活動を終了する。

 WiMedia Allianceのプレジデントを務めるStephen Wood氏によれば、今回の動きは「業界構造の建て直し」に向けたもので、「2008年7月から先の3団体との話し合いや交渉を進めてきた」という。

 同氏によれば、今回の動きは、無線技術が成熟段階に達したことによるもので、今は「業界の構造をすっきりさせる」時期に来ているという。

 昨今の厳しい経済情勢の中で、WiMedia AllianceとBluetooth SIG、Wireless USB Promoter Group、USB-IFの4団体に重複して参加する企業にとって、各団体が開催し、内容的にも重複する複数の会議に出席し続けることが難しくなってきたことも、今回の動きを進める要因になった。また、これまでの業界構造では、各団体が標準化した規格に準拠する製品を手掛けるメーカーにとっても、複数の規格認証を取得しなければならないという負担を強いることになる。

 Wood氏は、「メーカーからは、製品化に際しては必ず認証を得なければならない上、1つの製品に関して複数の団体に認証請求しなければならないため、製品化まで時間がかかってしまうといった声が挙がっている。そこで、こうした現状から脱却するために、WiMedia AllianceはBluetooth SIGとWireless USB Promoter Group、USB-IFの3団体に今後の仕様策定などの業務を委譲することが望ましいと判断した」とこれまでの経緯を説明した。

 WiMedia Allianceは過去に、UWBの通信方式を「IEEE 802.15.3a」として標準化するプロセスにおいて、米Freescale Semiconductor社が支配的な影響力を握るのを防いだ実績がある。その後、同規格の策定が滞ったため、WiMedia Allianceは同団体が推す方式が採用されるように世界的な働き掛けを展開した。

 UWB技術の利害関係者らは、UWB技術の仕様を別々の団体に委譲しても、今後の仕様開発の分裂や、知的財産権をめぐる新たな問題が生じる可能性はないとみている。各団体に参加する半導体ベンダーはみな、製品ラインアップをシンプルにしたいと考えているからだ。WiMedia Allianceの知的財産の大半を所有する米Alereon社と米Staccato Communications社の両社は、Bluetooth SIGが採用する、ライセンス料をゼロ(無料)とするライセンス・モデル「RAND-Z」に則って、UWB技術の知的財産を無償で提供する予定だという。WiMedia Allianceは、ライセンス・モデルとして一般的な「RAND(Reasonable And Non-Discriminatory:妥当かつ公平)」を採用していた。

 なおWiMedia Allianceは、UWB技術の権限の委譲に関して、FAQ(よくある質問)をインターネット上で公開している(参考リンク:同団体のFAQ(Word形式の英文ファイルが開きます))。


【関連記事】
UWBチップのTZero社が事業を閉鎖(2009/02/13)
UWBのTzero社が日本市場に再攻勢、携帯型機器向けチップも開発中(2009/01/08)
TZero社がUWB伝送向け参照設計を発表、HDTVなどに向け低価格アピール(2008/12/03)
UWBチップのパイオニア、スタッカート社とアーティミ社が合併(2008/11/25)
インテル社、UWB技術の自社開発に終止符(2008/11/06)

(Patrick Mannion:EE Times、翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan)


PR

@IT Sepcial