【VLSI 2009】GLOBALFOUNDRIES社、22nm世代に向けたhigh-k技術を開発
米GLOBALFOUNDRIES社は、2009年6月15~18日に京都で開催された半導体関連の国際学会「2009 Symposia on VLSI Technology and Circuits(2009 VLSI Symposia)」において、高誘電率(high-k)/金属ゲート・トランジスタを22nm世代かそれ以下に小型化できる技術を発表した(「Extremely Scaled Gate-First High-k/Metal Gate Stack with EOT of 0.55 nm Using Novel Interfacial Layer Scavenging Techniques for 22nm Technology Node and Beyond」、セッション7-2)。
ファウンドリ企業である同社は、high-k/金属ゲート・トランジスタのゲート酸化膜の厚さ(等価酸化膜厚、EOT)を薄くすることができる技術を実証したと報告した。EOTが0.55nmのnチャネル型MOS FETと、EOTが0.7nmのpチャネル型MOS FETを製造したことによって実証したものだ。
GLOBALFOUNDRIES社は米Advanced Micro Devices(AMD)社の製造部門のスピンオフによって設立された半導体ファウンドリ企業で、アラブ首長国連邦アブダビ首長国の政府系投資会社 Advanced Technology Investment Company(ATIC社)の出資を受けている。
同社はドイツ東部のザクセン州ドレスデンに製造工場を保有している。また、米ニューヨーク州サラトガ郡マルタに45億米ドルを投じた300mmウエハー対応の工場を建設する計画だ。この工場は2012年に操業を開始する見込みであり、1カ月当たり最大3万5000枚のウエハーを製造する予定だ。
同社は米IBM社が主導する共同開発グループ(いわゆるファブ・クラブ)のメンバーでもある。high-k/金属ゲートに関する今回の研究は、IBM社のいわゆる「技術アライアンス(Technology Alliance)」と提携して実施された。同ファブ・クラブは、32nmノードにおけるhigh-k/金属ゲート技術の導入ではどのファウンドリよりも先に進んでいると主張する。今回報告されたように、2009年後半には32nm向けの設計を受理する準備が整う見通しであり、2010年前半には量産を開始する能力がある。
東京エレクトロンは、同社のhigh-kプロセス向け化学気相成長(CVD)ツールをIBM社主導の同ファブ・クラブのメンバー向けに出荷していると報告されている。情報筋によれば、キャノンアネルバは、IBM社の技術プラットフォームの金属ゲート部分向けに物理気相成長(PVD)ツールを提供しているという。また、キャノンアネルバのPVDツール「I-7100GT」は、IBM社、AMD社、韓国のSamsung Electronics(サムスン電子)社、東芝などの企業で導入され、稼働しているという。
high-k/金属ゲート技術を、より微細化の進んだ次世代に適用する際に立ちふさがるおもな問題点の1つは、EOTスケーリングだ。 GLOBALFOUNDRIES社によれば、「EOTを抑えることに成功した他社の例もあるが、常に素子の性能が犠牲になっている」という。
high-k/金属ゲート・トランジスタのスイッチング精度を維持するためには、high-k酸化膜のEOTを減少させなければならない。GLOBALFOUNDRIES社によれば、「当社とIBM社はこの障壁を克服する新たな技術を開発し、リーク電流としきい値電圧、キャリア移動度の組み合わせを必要とされる範囲に維持したままで、EOTスケーリングを22nm世代からさらに先へ進めることが可能であることを初めて実証した」という。
同社の技術部門および研究・開発部門のシニア・バイス・プレジデントを務めるGregg Bartlett氏は発表資料の中で、「今回の開発成功によって、ゆくゆくは、製品の性能を高めるための手段を顧客に提供することができるだろう。特に、急成長する小型のノート・パソコンやスマートホン市場で2次電池の寿命を延長することができるかもしれない」と述べている。
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