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» 2010年02月25日 11時00分 UPDATE

エネルギー技術 太陽電池:三菱化学が1m角で3kgと軽い建材一体型太陽電池を開発

現在普及している太陽電池は硬く重いため、専用の架台が必要になるほか、大面積の屋根上に大量に設置するには屋根の補強工事が必要になるという課題があった。

[畑陽一郎,EE Times Japan]

 三菱化学は2010年2月25日、軽量太陽電池モジュール「ジオアシートPV」を開発したと発表した(図1)。2010年4月から出荷を開始する。アモルファスSi(シリコン)薄膜太陽電池と樹脂製の屋根用防水シートを一体化した点が特長。

 現在普及している単結晶Si太陽電池や多結晶Si太陽電池は、ガラス基板を用い、裏面材料との間にEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂)などの充填材料を用いているため、1m2当たりの重量が約10kgと重い。このため、専用の架台が必要になるほか、大面積の屋根上に大量に設置するには屋根の補強が必要になるという課題があった。

ALT 図1 三菱化学が開発した建材一体型太陽電池モジュール 樹脂性防水シートと一体化した「ジオアシートPV」(右)と、Al(アルミニウム)と樹脂を複合したシートと一体化した試作品(左)。出荷するジオアシートPVの外形寸法は3700mm×1320mm×2.7mm。
ALT 図2 大面積の屋根に向く 柔軟性があるため、曲面状の大面積の屋根にも設置しやすい。円柱にも設置できるという。

 ジオアシートPVは、オレフィン系高耐久性樹脂で薄膜Si太陽電池をはさんだ構造を採る。2.7mmと薄く、1m2当たりの重量が約3kgと軽いため、大面積の屋根への設置が容易だという(図2)。防水シートと一体化しているため、屋根の防水工事の一環として太陽電池モジュールを設置するという用途も考えられるとした。

 ジオアシートPVは水平面への設置に向けた製品である。併せて垂直面への設置に向けて剛性を高めた品種の製品化も目指す。三菱樹脂が開発したAl(アルミ)樹脂複合板「アルポリック」とアモルファスSi薄膜太陽電池を組み合わせることで実現する。アルポリックはポリエチレン樹脂の両面にAl板を張り合わせた3層構造を採るため、剛性が高い。ビル壁などに累計800万〜1000万m2の出荷実績があるという。

 なお、三菱化学はSi系太陽電池を開発・製造していない。今回のアモルファスSi薄膜太陽電池はドイツQ-Cells社が開発した品種を用いた。「軽量で柔軟性のある太陽電池の本命は、当社が開発中の有機薄膜太陽電池だと考えている。ただし、有機薄膜太陽電池の製品化前に軽量な太陽電池の市場自体を開拓する必要があるため、今回ジオアシートPVを製品化した」(三菱化学)という。

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