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» 2010年05月13日 11時00分 UPDATE

センシング技術:【ESEC 2010】「あなたの胸のドキドキを伝えます」、電磁波を使って2m先の相手まで

動体(人体)の動きならば7m〜8m、胸のわずかな鼓動も2mの範囲で検出できるという。2つのアンテナを備えており、それぞれから電磁波を空間に放射する。同じアンテナで、動体に反射した戻ってきた反射波を継続的に観測することで、人体の動きを検出する仕組みだ。

[前川慎光,EE Times Japan]

 人体検知レーダーの開発を手掛ける企業である「ライフセンサー」は、電磁波を使った動き検知センサー・モジュールを開発し、組み込み機器の総合展示会「第13回組込みシステム開発技術展(ESEC 2010、2010年5月12日〜14日)」で展示した(図1)。

 「バランス型」と呼ぶ独自回路を採用したセンサー・モジュールで、分解能が高いことが特徴である。動体(人体)の動きならば7m〜8m、胸のわずかな鼓動も2mの範囲で検出できると主張する(図2)。防犯/セキュリティ装置における動体検知や、福祉分野での見守り用途に向ける。例えば、病院において夜間にベッドできちんと寝ているかの確認や、外出中に自宅に不審者が進入していないことの確認に使えるとする。

ALT 図1 動体のわずかな動きを検出できるとする 電磁波を空間に放射し、動体に反射して戻ってきた反射波を継続的に監視する。2系統のアンテナを使って差動処理することで、分解能を高められたという。

反射波の変化を差動検出

 電磁波を使って人体の動きを検知する研究は、これまでも進められてきた。例えば、慶応義塾大学の理工学部の大槻知明氏の研究グループやNTT環境エネルギー研究所の研究事例がある。ただ、これらの研究は、携帯電話の無線基地局や無線LANのアクセス・ポイントから常時空間に放射されている「環境電磁波」を使っている。

 ライフセンサーが開発した動き検知センサー・モジュールは、電磁波を使うという観点ではこれまでの研究と同じだが、環境電磁波は使わない。

ALT 図2 セキュリティや見守りの分野での製品化を目指す ライフセンサーはこれまで、地震などで地中に埋まった人を発見するためのレーダー・システムを開発してきた。この技術を、動き検知センサー・モジュールに応用した。

 2つのアンテナを備えており、それぞれから電磁波を空間に放射する。同じアンテナで、動体に反射した戻ってきた反射波を継続的に観測することで、人体の動きを検出する仕組みだ。動いたときに、反射波の振幅レベルが変化することを利用する。同社がバランス型と説明しているのは、2つのアンテナで計測した反射波を、差動増幅器とフィードバック回路で処理しているからだ。このような処理をすることで、人体の動きによる反射波レベルの変化だけをうまく抽出できるという。「当社独自の特許技術だ」(ライフセンサーの説明者)。

 10.5GHzの電磁波を利用しており、センサー・モジュールは特定小電力無線設備の技術条件に適合している。シールドも含めた外形寸法は、85mm×60mm×5mmである。展示会では、人形のゆらゆらとしたわずかな動きを検出する様子を見せていた。「サンプルが完成したばかり。一般に披露するのは今回が初」(同社)。佐鳥電機のブースで展示している(図3)。

ALT 図3 佐鳥電機のブース

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