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STマイクロとNXP、AndroidでNFCを利用可能にするAPI開発で提携無線通信技術 NFC

スイスSTMicroelectronics(STマイクロ)社とオランダNXP Semiconductors(NXP)社は、米Google社のオペレーティングシステム「Android」でNFC(Near Field Communication)を利用可能にするAPI(Application Programming Interface)の普及に向けて協業すると発表した。

» 2010年06月03日 17時33分 公開
[Peter Clarke,EE Times]

 スイスSTMicroelectronics(STマイクロ)社とオランダNXP Semiconductors(NXP)社は、米Google社のオペレーティングシステム「Android」でNFC(Near Field Communication)を利用可能にするAPI(Application Programming Interface)の普及に向けて協業すると発表した。この協業には、フランスでNFCのプロトコルスタックを手掛けるTrusted Logic社とドイツでNFCのプロトコルスタックを手掛けるStollmann E&V社の2社も参加する。

 今回の提携の目的は、商品やサービスに対する支払い機能など、さまざまな用途でNFCを利用できるようにすることにある。

 NXP社とTrusted Logic社は2010年4月に、AndroidでNFCを利用可能にするAPIをオープンソースソフトウエアとして公開した。また、Stollmann E&V社も2010年5月に、同社が独自に開発したNFCのAPIを発表している。協業を発表した4社は、今後共同開発するAndroidでNFCを利用可能にするAPIの最新版をオープンソースコミュニティーに公開し、標準の候補として提案する予定だ。

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 NFCが使えるようになるとAndroid搭載スマートフォンのユーザーは、Android Marketでアプリケーションソフトウエアをダウンロードすることで、スマートフォンをより便利に使えるようになる。例えばスマートフォンを使って支払いを済ませたり、各種交通機関やイベントのチケットのようにスマートフォンを使えるようになる。そして、Android搭載スマートフォンの間でデータを直接やりとりすることも可能になるなど、さまざまな便利な機能を利用できるようになる。

 AndroidでNFCを利用可能にするAPIの開発では、STMicroelectronics社とNXP Semiconductors社は、携帯電話事業者や携帯電話機メーカー、NFCコントローラーのメーカーなど、さまざまな企業と協議を重ねた。その結果、両社が販売するNFC対応ICの多くと互換性を持つプロトコルスタックが完成した。

 STMicroelectronics社でNFCマーケティングディレクターを務めるLaurent Degauque氏は、「NFCプロトコルスタックの主要ベンダーとNFCチップメーカーの提携は、より多くのAndroid搭載スマートフォンでNFC機能を利用可能にするための大きな一歩だ。NFC技術の主要企業である4社が手を組み、APIを公開することで、NFC技術が普及し、ユーザーの利便性が高まるものと確信している」と述べた。

 このAPIはApacheライセンス2.0で公開される。なお、このAPIの仕様書は、NFCforAndroid@trusted-logic.comかnfc@stollmann.deに電子メールで仕様書の送信依頼を出すことで入手できる。

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