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トヨタなど13社が燃料電池車に関する共同声明を発表、2015年国内導入を目指すエネルギー技術 燃料電池

自動車メーカー3社と、エネルギー事業者10社は水素関連の共同声明を発表した。4大都市圏を中心に燃料電池車を導入し、水素供給インフラの先行整備を目指す。

» 2011年01月14日 11時00分 公開
[畑陽一郎,EE Times Japan]

 トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業の自動車メーカー3社と、エネルギー事業者10社は、2011年1月13日、3項目からなる「燃料電池自動車の国内市場導入と水素供給インフラ整備に関する共同声明」を発表した。

 声明文では、自動車メーカーの事業方針、エネルギー事業者の事業方針、双方の協力関係を宣言した。自動車メーカー3社は、2015年に4大都市圏*1)を中心とした国内市場にCO2(二酸化炭素)を排出しない燃料電池車(FCV)の量産車を導入し、一般ユーザーに販売するために開発を進めているとした。

 一方、水素供給業者は、FCV量産車の初期市場創出のため、2015年までに100カ所程度の水素供給インフラの先行整備を目指す。自動車メーカーと水素供給業者は共同でFCVの導入拡大と水素供給インフラ網の整備に取り組む。

*1)13社は、4大都市圏を首都圏、中京、関西、福岡と定義している。

ALT 図1 水素供給インフラの配置 4大都市圏と高速道路を中心に配置する見込みだ。

FCV普及への足かせを取り払う

 FCV普及への道筋は、国の計画に従って大枠が固まってきた。自動車メーカーなどの代表が参加する次世代自動車戦略研究会は2010年4月に電気自動車などの次世代自動車の技術戦略や普及戦略をまとめた「次世代自動車戦略2010」を発表している。ここでは、乗用車種別普及見通し(民間努力ケース)として、2020年には次世代自動車が20%を占めると予想したが、FCVの比率は1%以下にとどまると発表している。

 2010年6月には政府の「エネルギー基本計画」が閣議決定され、2015年からのFCV普及を目指す方針が固まった。この結果、水素の取り扱いなどの主要な規制を2012年度までに見直すことが決まり、FCVの普及への道筋が付いた。今回の共同声明は国の後押しに応え、FCV事業を各社が開始するという宣言である。

 今後は13社を中心に4大都市圏ごとに分科会を設立し、FCV量産時に必要な水素供給インフラの最適配置などを検討するとした(図1)。

 共同声明を発表したのは以下の13社である。JX日鉱日石エネルギー、出光興産、岩谷産業、大阪ガス、コスモ石油、昭和シェル石油、西部ガス、大陽日酸、東京ガス、東邦ガス、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業。


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