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» 2011年01月24日 14時03分 UPDATE

無線通信技術:【カーエレ 2011】第3の電磁界で消費電力削減へ、豊通エレが新通信技術をデモ

[前川慎光,EE Times Japan]

 豊通エレクトロニクスは、「準静電界通信」と呼ぶ技術を使ったデモを、「第3回 国際 カーエレクトロニクス技術展(カーエレ JAPAN)」(2011年1月19日〜21日に東京ビッグサイトで開催)で披露した。

 準静電界通信とは、人体近傍に存在している電磁界成分を使った情報伝送技術である(図1)。限られた範囲にのみ情報を伝えるという特性があるため、一般的な無線通信方式に比べて、消費電力を削減できることやデータを送受信するための回路構成をシンプルにできるという特徴があるという。

図1 図1 準静電界通信のコンセプト
一般に、あるエネルギー源(微小ダイポール)が形成した電磁界の領域は、「準静電界(quasi static field)」と、遠方へと放射する成分が優位な「放射界(radiation field)」、その中間の領域である「誘導電磁界(induction field)」に分けられる。準静電界通信は、このうちの準静電界を積極的に使う。通信分野では、これまで活用されてこなかった電磁界である。

 会場では、自転車のサドル下に取り付けたカメラで撮影した映像を、ハンドルに取り付けた小型ディスプレイに伝送するデモを見せていた(図2)。自転車のサドルとハンドルに電極が取り付けてあり、サドルの電極はカメラに、ハンドルの電極は小型ディスプレイに接続してある。サドルに座りつつ、ハンドルを握ることで、人体を介して、情報を伝送できるのだという。このとき、自転車のシャーシの電位を、基準電位として使った。変調方式はFM。搬送波周波数は13MHzで、8MHz〜18MHzの周波数範囲で変調している。

 車内の情報伝送に応用することを想定している。このほか、握手するだけで名刺交換するといった用途や、キーレスエントリー、コードレスヘッドホンといった用途がある。

 現在は、準静電界通信の原理を検証している段階で、今後実用化を目指した開発を進める。東京大学生産技術研究所の滝口研究室と共同で開発した。

図2 図2 自転車を使った準静電界通信のデモの様子
自転車のサドルとハンドルに電極が取り付けてある。自転車をこいでいる状態であれば、人体近傍の電磁界を介して、カメラで撮影した映像を小型ディスプレイに伝送できる。

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