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富士通セミコンダクターが営業黒字に転換、利益100億円の目標達成が確実にビジネスニュース 企業動向

2008年3月に富士通から分社後、2008年度に約600億円の営業赤字、2009年度も100億円以上の営業赤字を計上したが、分社3年目で営業黒字への転換を実現できる見通しだ。

» 2011年02月01日 11時00分 公開
[石田雅也,ITmedia]

 富士通セミコンダクターが2010年度(2011年3月期)に、目標としていた営業利益100億円を達成できることが、ほぼ確実になったようだ。「まだ確定ではないが、100億円強の営業利益を出せそう」(岡田晴基社長、写真1)。2008年3月に富士通から分社後、2008年度に約600億円の営業赤字、2009年度も100億円以上の営業赤字を計上したが、分社3年目で営業黒字への転換を実現できる見通しだ。ただし富士通グループの「デバイスソリューション事業」の中核会社と位置付けられており、単独の決算は公表していない。2010年度の売上高は4000億円程度とみられる。

ALT 図1 富士通セミコンダクターの岡田晴基社長

 富士通セミコンはLSI事業の収益構造を抜本的に立て直すため、2009年8月27日に発表した事業戦略に基づき、「ファブライトへの事業モデル転換」、「固定費を中心とする費用削減」、「アプリケーションを明確にした商品ポートフォリオ再構築」の3つを柱に、さまざまな施策を実行してきた。

 特に費用削減は2009年度に650億円、2010年度に150億円と、2年間で合計800億円の削減を目標とし、「ほぼ計画通りに実施できた」(岡田社長)という。開発・製造面では40nmのプロセス開発を中止し、40nmと28nmの先端プロセスを台湾TSMCとの共同開発へ移行することで、ファブライト化による開発費の削減を推進した。

 同業のルネサス エレクトロニクスも2010年4月の旧ルネサス テクノロジと旧NECエレクトロニクスの合併に伴って収益構造の改革に取り組んでおり、2010年度(2011年3月期)には70億円の営業黒字を見込んでいる(2009年度は1133億円の営業赤字)。マイコンを中心とする日本のLSI大手メーカー2社が大幅な費用削減と製品戦略の再構築により、今年度はそろって営業黒字に転換することになる。

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