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2010年第4四半期のDRAM市場、サムスン電子がリードを広げるビジネスニュース 業界動向

サムスン電子は、2010年第4四半期のDRAMの売上高ランキングで首位を維持し、後続とのリードをさらに広げた。

» 2011年02月21日 20時15分 公開
[Mark LaPedus,EE Times]

 サムスン電子は、2010年第4四半期のDRAMの売上高ランキングで首位を維持し、後続とのリードをさらに広げた(表1)。

表1 図1 2010年第4四半期のDRAMの売上高ランキング 売上高(表中のRevenue)の単位は100万米ドルである。出典:IHS iSuppli

 市場調査会社である米国のIHS iSuppliによると、2010年第4四半期のサムスン電子のDRAMの売上高は36億米ドルに上り、DRAM市場全体の売上高(87億米ドル)の41.7%を占めたという。サムスン電子は、2010年第3四半期からシェアを1ポイント拡大したことになる。

 IHS iSuppliによると、2010年第4四半期のDRAMの平均販売価格(ASP)は28%以上も下落したという。しかし、サムスン電子は、低迷する市場とは反対に業績を伸ばした。

 IHS iSuppliでDRAM・メモリ部門の主席アナリストを務めるMike Howard氏は、「サムスン電子は、抜け目ない戦略を展開することで、事業の拡大に成功した。同社は、DRAMの平均販売価格低下に対する策として、多様性のある製品ポートフォリオを用意するとともに、設備投資も積極的に行い、競合他社に引けを取らない出荷量を維持した」と解説する。

 DRAM売上高第2位のハイニックス・セミコンダクターは、8四半期連続で約22%の市場シェアを確保した。一方、第3位のエルピーダメモリは2010年第4四半期のDRAM市場で最も大きく売上高を落とした。同社のシェアは前期比35ポイント減となる13.0%で、売上高は11億米ドルだった。

 第4位のマイクロン テクノロジーは2008年10月に台湾のInotera Memoriesの株式を取得していたが、ついにその成果が出荷量の増大として表れ始めた。マイクロンの市場シェアは、同年第3四半期の10.5%から、2010年第4四半期には12.5%まで拡大している。

 だが、DRAM市場は現在、まだら模様にある。市場調査会社である米国のVLSI Researchは、あるリポートの中で「メモリの受注は低迷が続いている。主な要因は、DRAM市場に対する不透明感にあると考えられる」と述べている。

 VLSI Researchは、「肯定的な要素としては、インテルのチップセットのリコールがPC市場にはほとんど影響を及ぼさなかったことが挙げられる。ノートPCメーカー大手各社の報告を見る限り、市場状況は安定しており、2011年第1四半期のメモリの出荷量は2%程度の落ち込みで済むと予想される。2010年第4四半期の出荷量は低迷しているが、2011年第1四半期は例年よりも季節要因による下落幅が少ないだろう」と述べている。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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