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» 2011年02月21日 21時06分 UPDATE

ビジネスニュース 企業動向:インテルが14nm世代の半導体工場をアリゾナに建設へ、50億米ドル以上を投資

インテルは、50億米ドル以上を投資し、米国アリゾナ州チャンドラーの同社の拠点に新しい半導体製造施設を建設する。

[Mark LaPedus,EE Times]

 インテルは、50億米ドル以上を投資し、米国アリゾナ州チャンドラーの同社の拠点に新しい半導体製造施設を建設する計画だ(図1)。2011年2月18日(米国時間)に発表した。同社は近年、製造施設の拡大を積極的に進めている。

 新たに建造する施設は「Fab 42」と呼ばれ、当初は300mmウエハー工場として稼働するが、今後450mmウエハーへの対応準備が整えば、450mmウエハーにも対応することが可能だという。Fab 42は、14nm世代もしくはそれ以降の世代のプロセス技術を適用してウエハーを加工する。インテルは、Fab 42が「世界で最も先進的なファブになる」と述べている。Fab 42は2011年半ばに着工し、2013年に完成する予定だと言う。

 同社のシニアバイスプレジデントで製造・サプライチェーン担当ゼネラルマネジャーを務めるBrian Krzanich氏は、発表資料の中で、「Fab 42への投資は、当社の製造ネットワークの将来的な成長を促すものとなる。同施設は、最小14nmの加工寸法でトランジスタを作製できるプロセス技術で稼働を始める予定だ」と述べている。

図1 図1 インテルが50億米ドルを投資して米アリゾナ州チャンドラーに建設予定の新しい半導体製造施設と関連施設の完成予想図

 インテルのCEO(最高経営責任者)であるPaul Otellini氏は、2011年2月18日のBarack Obama(バラク・オバマ)米大統領による同社訪問に合わせて、今回の発表を行った。Otellini氏はさらに、同社が2011年に米国で4000人を追加雇用する計画であることも明らかにした。また、Associated Press(AP通信)がホワイトハウスの匿名の情報筋による話として伝えたところによれば、Obama大統領は、雇用の創出と競争力の強化を目的に2011年1月に創設した『Council on Jobs and Competitiveness』のメンバーにOtellini氏を任命する意向だという。

 Otellini氏は最近、米国政府に対して、米国内に工場を建設する企業が税金の軽減措置を受けられるよう求めていた。同氏は以前、米国経済に対するObama大統領の政策を厳しく批判していた。

 一方、インテルは2010年12月に、イスラエルでの300mmファブ建設にあたってイスラエル政府から助成金を受けた。また同社は、アイルランドのファブも拡大する計画だ。さらに最近、同社にとって中国で初めてとなる半導体施設で量産を開始している。この他、ベトナムにも半導体の組み立てとテストを担う施設を新たに開設済みだ。

 そして今インテルは、米国内のファブの拡大を積極的に進めており、半導体製造施設に関してここ数週間のうちに今回を含めて2回大きな発表を行っている。これを受け、GLOBALFOUNDRIESやサムスン電子、台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)などの半導体ファウンドリ企業も、ファブに関する発表を相次いで行った。ファブの拡張を精力的に進めているGLOBALFOUNDRIESは、インテルのライバル企業であるAdvanced Micro Devices(AMD)からマイクロプロセッサの製造を受託している。さらにGLOBALFOUNDRIESは、インテルのプロセッサと競合する、ARMベースのチップの製造も手掛ける。

 インテルは2010年第4四半期に、アナリストの予想に反し、過去最高となる売上高を記録した。同社はまた、2011年の設備投資額を2010年から73%増やす考えを明らかにしている。

 インテルは2010年10月に、かねてから噂されていた米国オレゴン州ヒルズボローへのR&D用ウエハー処理施設の設立を正式に発表した。さらに、米国内の既存の半導体製造施設を22nm世代のプロセス技術に移行する計画も明らかにしており、これらを合わせた設備投資額は60億〜80億米ドルに達するという。

 同社はこの投資により、ハイテク関連で800人〜1000人規模の常時雇用、建設関連で6000人〜8000人の期間雇用機会を創出するという。オレゴン州に開設する「D1X」と呼ばれる新しいR&D用ファブは、2013年にR&D用途での運用を開始する予定だ。同施設は450mmウエハー対応する能力を備える予定だが、当面は300mmウエハー処理施設として運用するという。

海外の製造拠点でも投資を拡大

 これらの米国内での動きの他、先に述べたようにインテルは海外でも製造施設の拡充を進めている。2010年12月には、イスラエルでの300mmファブの建設にあたりイスラエル政府から助成金を受けた。インテルは、国内の外国企業への投資を担当するイスラエル政府の省庁である「Investment Promotion Center」から助成金を受け取る予定だと言う。これは、イスラエルのKiryat Gat(キリヤガット)の300mmウエハー工場「Fab 28」に対する27億米ドルの投資の一部に充てられる。Fab 28は、22nm世代のプロセス技術を導入した半導体製造施設になると言われている。

 さらに2011年1月、アイルランドのIrish Times紙は、インテルがアイルランドのLeixlip(リークスリップ)にある同社のウエハーファブ「Fab 14」に5億米ドルを再投資すると報じた。この投資によって、2年間の建設期間の後、200人の技術者の長期的な雇用機会が創出されるという。だが、さらに重要なのは、この投資によって現在Leixlipで稼働中の3つのウエハーファブでの職が確保されるという点だ。

 Irish Times紙は、Leixlipの300mmファブも22nm世代のプロセス技術を導入すると伝えている。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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