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【iPad 2分解】部品コストは推定270米ドル、iPhone 4の設計を色濃く受け継ぐ製品解剖 タブレット

2011年3月11日に米国で発売されたアップルの新型タブレット「iPad 2」。EE Times誌と同じくUnited Business Media傘下の技術情報サービス企業であるUBM TechInsightsの分解リポートを、写真とともに紹介する。

» 2011年03月16日 15時17分 公開
[Rick Merritt,EE Times]

 2011年3月11日に米国で発売されたアップルの新型タブレット「iPad 2」。EE Times誌と同じくUnited Business Media傘下の技術情報サービス企業であるUBM TechInsightsの分解リポートを、写真とともに紹介する。

 UBM TechInsightsで技術情報部門担当バイスプレジデントを務めるDavid Carey氏は、「iPad 2が正式に発表される前、クアルコムのマルチモード対応ベースバンドプロセッサを採用するとの情報をもとに、当社はiPad 2がVerizon版『iPhone 4』(およびモトローラのメディアタブレット『XOOM』)の設計を色濃く受け継ぐと予測していた」と述べる。

 そして同氏は、「結果的には、ベースバンドプロセッサにVerizon版iPhone 4とXOOMで採用された品種とまったく同じものが使われていることが分かった」と語った。

 アプリケーションプロセッサについては、「iPad 2が搭載する『Apple A5』の基本的な仕様は、XOOMが内蔵するNVIDIAのデュアルコアプロセッサ『Tegra 2』と同じである。このためプロセッサのコストは、15米ドル〜20米ドル程度だと推定している。当社はApple A5についてさらに詳細な検証を進め、正確なコストを解明していくつもりだ」(同氏)と話す。

 さらに同氏は、「従来機の情報から判断すると、iPad 2の部品コスト(BOM:Bill of Materials)は約270米ドルと見積もることができる。アップルは、量産と再利用とによって、競合メーカーのタブレット型コンピュータに対してコスト競争力を確実に維持できるだろう」と付け加えた。

 そして同氏は、「iPad 2の全部品に関する検証をすべて完了させなければ、全貌をつかむことはできない。ただし、iPad 2の価格が2010年半ばに発表された初代iPadとほぼ同じに設定されていることから、iPad 2の部品コストも初代iPadと同程度だとみている」と述べた。

 iPad 2のメインロジックボードに搭載されているチップは、以下の通りである(図1)。・デュアルコアプロセッサ「Apple A5」

  • 2ビット/セルのMLC技術を適用したサムスン電子のNAND型フラッシュメモリチップ「K9PFG08U5A」
  • ブロードコムの入出力コントローラ「BCM5973」
  • テキサス・インスツルメンツのタッチスクリーン・ラインドライバ「CD3240B」
  • ブロードコムのタッチスクリーン・コントローラ「BCM5974」
  • Dialog Semiconductorの電力管理IC「D1946A」(パッケージにはアップルのブランドで「3430542」の刻印がある)
  • シーラス・ロジックのオーディオコーデックIC「CLI1S546A0」(パッケージにはアップルのブランドで「338SC9409」の刻印がある)
図1 図1 iPad 2(3G対応機種)のメインボード 出典:UBM TechInsights
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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