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» 2011年03月17日 00時00分 UPDATE

電源設計 DC-DCコンバーター:6mm角ながら最大出力は60A、IRがパワーステージモジュールを発売

サーバやストレージ、通信システムなどを対象にしたパワーステージモジュールをIRが発売した。

[前川慎光,EE Times Japan]

 インターナショナル・レクティファイアー(IR)は、外形寸法が6mm×6mm×0.9mmと小さく、出力電流が最大60Aと大きいDC-DCコンバータ用パワーステージモジュール「IR3550」を発売した(図1)。

 ハイサイド/ローサイド用のパワーMOSFETと、MOSFETのゲート駆動ICを1つのパッケージに実装したもの(図2)。「6mm角と小型パッケージで、60Aを取り扱えるパワーモジュールの製品化は業界初」(同社)という。パワーMOSFETの製造プロセスを改善し、オン抵抗やゲート容量といった性能指標を向上させることで実現した。ローサイド用MOSFETのチップに、ショットキーバリアダイオードを集積したことも特徴である。

図1 図1 インターナショナル・レクティファイアーのパワーステージモジュール「IR3550」 パッケージの外形寸法が6mm×6mm×0.9mmと小型ながら、最大で60Aの出力電流を取り扱える。

 同社は、IR3550をパワーステージモジュールの新シリーズ「PowIRstage」の第1弾に位置付ける。同社はこれまで、ハイサイド/ローサイド用のパワーMOSFETと、MOSFETのゲート駆動ICを1つのパッケージに実装したパワーステージモジュールとして、「iPowIR」シリーズを製品化していた。ただ、iPowIRシリーズにおいて、出力電流が最も大きい「iP2005A」でも、パッケージは7mm角、出力電流は最大40Aだった。

図2 図2 IR3550のブロック図 ハイサイド/ローサイド用のパワーMOSFETと、MOSFETのゲート駆動ICを1つのパッケージに実装した。ゲート駆動ICには、電流検出アンプを集積している。

 IR3550の対象用途は、サーバやストレージ、通信システムなどである(図3)。これらの機器の電源では、高い出力電流を取り扱うために、マルチフェーズ方式のDC-DCコンバータを採用するのが一般的だ。出力電流の大きいパワーステージモジュールを採用すれば、DC-DCコンバータのフェーズ数を減らせるケースがある。「IR3550を採用すれば、大電流・高性能のマルチフェーズ方式のDC-DCコンバータの設計や実装を簡素化できる」(同社)。

変換効率を最大3%向上

 IR3550の仕様は以下の通り。入力電圧は4.5V〜14V、出力電圧は0.25V〜3.3V、スイッチング周波数は最大1MHz。変換効率は最大95%である(12V入力、1.2V出力、スイッチング周波数が300kHzのとき)。「変換効率を当社従来比で、最大3%高めた」(同社)。

図3図4 図3 IR3550の参照設計 出力電力は、95Wまたは、130W、150W。スイッチング周波数は300kHz〜800kHzである。このボードの右側に6つ縦に並んでいるチップが、DC-DCコンバータ用パワーステージモジュールとインダクタ。パワーステージモジュール制御用のPWMチップは、ボードの右上に実装してある。写真右は、IR3550を採用した基板の放熱特性。赤い色になるほど温度が高いことを示している。DrMOS規格準拠の競合他社品の表面温度が116℃、パワーMOSFETやゲート駆動回路を1チップに集積したモノリシック品の表面温度が128℃のとき、IR3550の温度は85℃と低い。

 電流検出アンプを内蔵することで、コイルの抵抗成分を使って電流を検出する方式に比べて、高い電圧精度とSN比を実現したという。IR3550と組み合わせて使う、マルチフェーズ電源用のPWMコントローラICも用意している。1万個購入時の参考単価は、2.65米ドルである。

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