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音楽の消費形態はクラウド型モバイルストリーミングが主流へビジネスニュース アナリストリポート

消費者にとって音楽コンテンツを所有することの重要性が低下していることから、音楽コンテンツの大量消費が進んでいる。米国の市場調査会社であるABI Researchが発表した最新のリポートによると、クラウド型の音楽ストリーミングサービスは2016年までに、消費者が音楽コンテンツをアルバムや楽曲単位で所有する形態を上回り、音楽コンテンツの消費形態としてもっとも大きな比重を占めるようになる見込みだという。

» 2011年03月25日 15時06分 公開
[Julien Happich,EE Times Europe]

 消費者にとって音楽コンテンツを所有することの重要性が低下していることから、音楽コンテンツの大量消費が進んでいる。米国の市場調査会社であるABI Researchが発表した最新のリポートによると、クラウド型の音楽ストリーミングサービスは2016年までに、消費者が音楽コンテンツをアルバムや楽曲単位で所有する形態を上回り、音楽コンテンツの消費形態としてもっとも大きな比重を占めるようになる見込みだという。このような消費形態の移行を加速させる主な要因は、特にスマートフォンなどの携帯端末を音楽再生デバイスとして使用するユーザーが増加するためである。

 ABI Researchで産業アナリストを務めるAapo Markkanen氏は、「モバイル向け音楽ストリーミングサービスの利用者数は、2011年末までに約590万人に達する見込みだ。さらにその後、約95%の年平均成長率で伸び、2016年には1億6100万人を上回るだろう。またアジア太平洋地域は2012年のうちに、モバイル向け音楽ストリーミングサービスの最大の市場になると予測される」と述べている。

 こうした市場の変化から最も大きなメリットを享受できるのは、消費者だけではない。新しい音楽配信モデルを提供する「Rhapsody」や「Melon」、「Spotify」などのベンダーやサービスプロバイダーだ。また、レコード会社や音楽プロダクションの他、さまざまな中間業者はこれまで、コンテンツの著作権侵害によって脅かされてきたが、今後は音楽ストリーミングサービスから大きな利益を得られるとみられる。音楽ストリーミングサービスが無ければ音楽業界以外に流れていたであろう大量の消費活動を、収益化できるチャンスが生まれるからだ。また、音楽アーティストにとっては、プラスとマイナスの両面がある。音楽コンテンツの販売だけで収入を得ることが難しくなるというデメリットはあるものの、幅広い種類の製品の流通を阻んできた障壁が急速に崩れることで生じるメリットもある。

図1 出典:ABI Research

 クラウド型音楽ストリーミングサービスを多くの消費者が利用するようになれば、音楽コンテンツの販売価格はだんだんと下がっていくだろう。ただし、ABI Researchでプラクティスディレクターを務めるNeil Strother氏は、「クラウド型音楽ストリーミングサービスの利用料金は下がると予測されているが、これは著作権保有者がロイヤルティーを引き下げるとの想定に基づいたものだ。レコード会社や著作権管理団体は、ロイヤルティー関連の交渉においてあまり強く出るべきではない。消費者は、便利かつ手ごろで合法的な手段が無いとなれば、別の方法で音楽を楽しむようになるだろう」と指摘している。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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