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Intelがファウンダリ事業で新興PLDもう1社と契約と報道、Appleの受託も視野かビジネスニュース 企業動向

IntelはPLDの新興企業であるTabulaとの間で、Tabulaが設計したチップの製造を受託するファウンダリサービスの契約を結んだとみられる。Intelは2010年に、PLDの別の新興企業とも同様の契約を結んでいた。アナリストによれば、Intelはさらに、ファウンダリ事業の顧客としてAppleも狙っているという。

» 2011年05月09日 17時25分 公開
[EE Times]

 Intelがファウンダリ(半導体製造受託)事業で新たな顧客を獲得したようだ。同社は2010年11月の初旬に、FPGAの新興企業であるAchronix Semiconductorに対してファウンダリサービスを提供すると発表して半導体業界を驚かせた(参考記事:Achronix Semiconductor 会長兼社長インタビュー)。今度は、Achronixと同じくプログラマブルロジック分野の新興企業であるTabulaに対しても、同様の製造受託契約を結んだとみられる。ベンチャーキャピタル関連のオンライン情報メディアであるVenture Beatと、技術ニュースサイトのSemiAccurate.comがそれぞれ伝えた。

 Venture Beatのリポートは、匿名の情報源を引用し、次のように報じている。すなわち、Tabulaは2011年3月に、ベンチャーキャピタル7社から合計1億800万米ドルの投資を受けると発表していたが、その投資契約を締結できた理由の1つがIntelとTabulaの関係だったという。

 Piper Jaffray & Co.のアナリストであるGus Richard氏は2011年5月2日、同氏も同社の他のアナリストらも、Intelがファウンダリ事業の顧客としてAppleを獲得すべく競合他社と争っているとみていると語った(Richard氏の見解を報じた米EE Timesの英文記事)。

 Intelの広報担当者は、Venture Beatの今回のリポートを「うわさだ」とし、同社のポリシーによりコメントできないと応じた。

 Achronixとのファウンダリ契約以前は、Intelが自社の製造ラインで他社のチップを製造することは極めてまれだった。Achronixとの案件については、「Intelはファウンダリ事業の可能性を探っている」との見方が業界に多かった。

 SemiAccurate.comのリポートは、やはり匿名の情報源を引用し、Achronixのチップの一部はIntelのAtomプロセッサとともに単一のパッケージに封止した形の製品になると報じている。これは、2010年9月にIntelが発表した、AlteraのFPGAチップとAtomプロセッサをパッケージした製品に似た構成である。

 Tabulaは、EDA業界のパイオニア的な人物で以前にCadence Design SystemsのCTO(最高技術責任者)を務めたSteve Teig氏が2003年に創設した(参考リンク:同社のホームページ)。設立以降、活動を一般に明らかにすることは無かったが、2010年になって情報公開に転じ、業界の話題になっていた。同社は「3PLD」と呼ぶ3次元アーキテクチャのプログラマブルロジックに取り組んでおり、ASICの能力とFPGAの使い勝手を、大量生産の機器に使える価格で提供できると主張する。同社は、40nmのプロセス技術を適用する製品ファミリ「ABAX」を2010年3月に発表しており、2010年後半に量産を始めている。

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