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野村証券、2011年の世界半導体市場の成長率予測を4.4%に引き上げビジネスニュース 市場予測

世界半導体市場の成長率はどの程度になるのだろうか。野村証券の予測は4.4%だ。これは2010年末の予測値から1.3ポイント高い数値だ。同社によれば、アナログ半導体、パワー半導体、メモリの一部が成長率を引き上げるという。

» 2011年06月10日 15時39分 公開
[Peter Clarke,EE Times]

 野村証券は、2011年の世界半導体市場の成長率を、2010年12月に発表した3.1%という予測値からわずかに引き上げ、4.4%に修正した。

 今回の修正は、スマートフォンやサーバの需要が当初の予想を上回ることや、メモリICの価格が予想以上に高騰していることを受けたものだという。

 業界の中には、2011年第1四半期の世界半導体売上高の好調ぶりを受け、成長率を1桁の後半に修正した例もある。こうした強気な予測と比べると、野村証券の4%や、TSMCの2%といった予測は、弱気といえよう。

半導体ではアナログ、パワー、メモリが引っ張る

 今回の予測では、メモリ以外の半導体分野について、一般消費者向けの需要が鈍化しているとして、成長率を5.6%から4.1%に引き下げている。一方で、アナログ半導体とパワー半導体は、産業分野からの活発な需要により成長が見込めるとしているほか、スマートフォンやタブレット向けのNAND型フラッシュメモリやモバイルDRAMといった分野についても、需要は高まるとみている。

 メモリICの需要は、コモディティ品のDRAMからモバイルDRAMやNAND型フラッシュメモリへと移行しつつある。2011年のDRAMの出荷金額は前年比10.3%減になると予測した。当初の予測では前年比21.3%減だった。一方、2011年のNAND型フラッシュメモリの出荷金額は順調に伸び、前年比34.6%増に達する見込みだという。

 野村証券は、アナログ、パワー、メモリ分野で好位置につけている半導体メーカーが、今後相当な利益を得ることになるとみている。そのような企業の例として、Maxim Integrated Productsや、Samsung Electronics、三菱電機、STMicroelectronicsを挙げた。

 PC関連の予測値も明らかにしている。タブレットを含む2011年のPCの出荷台数は、前年比で12.2%増加し、2012年には前年比17.3%増となると予測している。一方で、従来型のPCの出荷台数は、2011年に前年比3.3%増、2012年は前年比5.8%増とみている。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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