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» 2011年06月20日 08時00分 UPDATE

組み込み技術 モデルベース開発:自動車での成功事例をエネルギー分野にも、MathWorksが新分野を強化

制御/信号処理/画像処理システム向けソフトウェアツール「MATLAB/Simulink」を提供するMathWorksが、エネルギー分野への取り組みを強化している。

[前川慎光,EE Times Japan]

 制御/信号処理/画像処理システム向けソフトウェアツール「MATLAB/Simulink」を提供するMathWorks(マスワークス)が、エネルギー分野への取り組みを強化している。

 同社が対象とするアプリケーションは、自動車や航空/宇宙/防衛、エレクトロニクス/半導体/通信、産業機器、電気やガス会社を対象にした領域に分けられる。例えば、自動車領域では電気自動車、産業領域では太陽光発電のインバータ、電気やガス会社を対象にした領域ではスマートグリッド関連のシステムといったように、それぞれの領域でエネルギー分野に関連した機器/システムの開発支援を強化しているという。例えば、2010年には同社として第1回目となるエネルギー分野に特化したオンライン上のカンファレンスを開催した。これに続いて2011年6月23日には、日本国内でもエネルギー分野のさまざまなユーザー事例を紹介するWebセミナーを開催する(プログラム)。

 同社が提案してきたモデルベース開発は、自動車業界では一定の成功を収めた。そのノウハウをエネルギー分野のさまざまな機器やシステムの開発にも展開しようという戦略だ。モデルベース開発の手法を採用することで、作成した制御アルゴリズムを実際のシステムを試作する前の段階でシミュレーションし、システム全体の最適化を進められる。C/C++コードを自動生成し、リルタイムOS上での検証するといった作業にシームレスに対応できることもこの手法の特徴である。

図図 例えば、太陽光発電システムのインバータ開発では、効率よくエネルギーを取り出すために、最大電力追従(MPPT:Maximum Power Point Tracking)といったアルゴリズム設計が重要になる(左図)。MPPT制御アルゴリズムを設計しているイメージ図(右図)。MATLAB/Simulinkでは、高い抽象度でアルゴリズムを記述できる。

図図 風力発電システムのSimulinkモデルの例(左図)と、ハイブリッド自動車の電池管理システムのSimulinkモデルの例(右図)

 風力発電タービンの制御システムを例に挙げると、風向きや風速の変化に応じて風車の羽根(ブレード)を制御し、発電出力を最大化しつつ、しきい値を超えた強風時にはブレードを保護するいといった複雑なアルゴリズムになる。「風車ブレードの機械的なモデリングだけではなく、電気的な制御モデルの構築に対しても、使い勝手の高い開発ツールが求められている」(MathWorks Japan)という。

 エネルギー分野の開発事例としては、大規模太陽光発電システムのインバータや、風力発電制御システム、ハイブリッド自動車の電池管理システム、電力需要予測などがある。日本国内に向けては2009年ころからエネルギー分野の開発支援を強化しており、今後も継続して強化していくという。

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