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Boschは2011年の売上高で500億ユーロを達成へ、多様化するパワートレイン技術への対応を加速ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)

» 2011年07月15日 16時48分 公開
[朴尚洙,EE Times Japan]
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EV/PHEVは2020年に300万台

 Boschの成長戦略の中で重要な役割を果たしているのが、多様なパワートレイン技術の開発である。同社は、2020年の全世界の車両販売台数(車両重量6トン以下)を1億400万台と予測している(図2)。これらのうち、ハイブリッド車(HEV)が600万台、電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の合計が300万台を占める。残りは、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関車である。

 織田氏は、「例えば、直噴タイプのガソリンエンジンの搭載車台数は、2013年には2010年比で3倍となる720万台に増える。また、アイドリングストップシステムの搭載車台数も、2011年は前年比2倍の260万台となる。Boschでは、これら内燃機関の燃費を低減する技術の事業展開に注力している。もちろん、EVやHEVに必要な各種電動システムの開発も行っており、EVやPHEVが市場の中核を占めるようになる将来の自動車市場で重要な役割を果たすための準備も怠りなく進めている」と説明する。現在、Boschの電動システム製品としては、モーター、インバータ、電動システム向けのECU(電子制御ユニット)以外に、車載充電器や充電スタンド、回生ブレーキシステム、Samsung SDIと合弁で設立したSB LiMotiveが提供するリチウムイオン電池などがある。

ALT 図2 Boschの車両販売台数予測のパワートレインによる内訳

 2020年のEV/PHEVの販売台数が300万台というBoschの予測は、ほかの業界団体や調査企業による1000万台という予測と比べるとかなり控えめなものとなっている。同社は、2020年におけるEVの製造コストを、内燃機関車と比べて45%高い1万6000ユーロと予測している。このコスト増の原因は、6000ユーロに達する2次電池である(図3)。このように、2020年時点でも2次電池の低コスト化が果たせないであろうという予測を基に、大容量の2次電池を搭載する必要のあるEV/PHEVの販売台数を少なめに想定しているようだ。

ALT 図3 2020年におけるEVの製造コスト
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