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» 2011年08月04日 11時28分 UPDATE

テスト/計測:【NIWeek 2011】NIがLabVIEW 2011を発売、25年後をイメージしたデモも披露

National Instrumentsは、計測/制御用アプリケーションソフトウェアに向けたグラフィカル開発ツールの最新版「LabVIEW 2011」を、NIWeek 2011で発表した。

[前川慎光,EE Times Japan]

 National Instruments(NI)は、計測/制御用アプリケーションソフトウェアに向けたグラフィカル開発ツールの最新版「LabVIEW 2011」を、米テキサス州オースチンで2011年8月2日〜4日(現地時間)に開催中のカンファレンス兼展示会「NIWeek 2011」で発表した。

 同社はかねてから、LabVIEW(Laboratory Virtual Instrument Engineering Workbench)の特徴として、直感的にプログラムコードを記述できることや、開発したアプリケーションソフトウェアをそのまま計測/制御ハードウェアに実装できること、計測/制御ハードウェアとの連携性が高いことを訴求してきた。

 LabVIEWには、データ集録や信号処理、機器制御、シミュレーション用のさまざまな関数や機能があらかじめ視覚的なコンポーネントとして用意してある。利用者は、LabVIEWの画面上で、コンポーネントを複数配置し、このコンポーネント同士を接続することで、計測/制御用ソフトウェアを開発する。同社が製品化している計測/制御用ハードウェアであれば、ハードウェアの種類によらず、LabVIEWで作成したソフトウェアを共通して使える。

 LabVIEW 2011では、上記の特徴を継続しつつ、幾つかの改良を施した。最大の特徴は、LabVIEWの動作安定性と応答性を向上させたことである。

図 図1 LabVIEWの新バージョンをリリースするまでにつぶしたバグの数を比較した 

 まず安定性については、LabVIEW使用時のバグや、LabVIEWの過去のバージョンのプログラムコードを読み込んだときのクラッシュ頻度を大幅に減らした。LabVIEW 2011の開発中にベータ版の評価で早期ユーザーが発見したバグの数は、従来のバージョンに比べて30%も少ない(図1)。また、LabVIEWの過去のバージョンのプログラムコードを読み込んだときにクラッシュが発生した原因を抜本的に分析し、すべて解消したという。

図 図2 LabVIEW 2011は、さまざまな計測器や開発ツールとの接続性を高めたことも特徴 

 応答性については、LabVIEWの起動や検索、ヘルプ表示といった作業時にLabVIEWが反応するまでの時間を、LabVIEW 2009やLabVIEW 2010に比べて短くした。例えば、起動時間は従来比1/4に高速化している。この他、数値解析/信号処理用ライブラリを強化したことや、さまざまなシステム開発ツールとの接続性を高めたことも特徴である(図2)。

改良はまだまだ続く

 NIWeek 2011の会期2日目の基調講演には、National Instrumentsの共同創設者でBusiness and Technology Fellowを務めるJeff Kodosky氏が登壇し、LabVIEWのコンセプトや、今後の開発の方向性などを語った(図3)。同氏は、1986年に「LabVIEW 1.0」を発売した当初からLabVIEWの開発に携わっており、「LabVIEWの父」と呼ばれる人物である。

図 図3 会期2日目の基調講演に登壇した、National Instrumentsの共同創設者でBusiness and Technology Fellowを務めるJeff Kodosky氏 

 同氏がLabVIEWのコンセプトに挙げたのは、5つある。「抽象度の高いグラフィカルな記述であること」、「分かりやすいユーザーインタフェースであること」、「プログラム記述が構造を表示していること」、「データフロー型言語であること」、「プログラムの記述の抽象度に応じた幾つかの階層を持つこと」の5つである。Kodosky氏は、料理のレシピを例に挙げながら、グラフィカルな記述や全体構造をひと目で理解できる「分かりやすさ」が、LabVIEWの特徴であることをアピールしていた(図4)。

図 図4 料理レシピを例に、テキスト型言語に比べ、LabVIEWのプログラム記述が分りやすいことを紹介 

 今後のLabVIEWの開発の方向性としては、コンパイラの改善や、「Web UI Builder」と呼ぶ新機能のさらなる改善、スマートフォンやタブレットPCを含むさまざまなデバイスへの対応などを挙げた(図5)。Web UI Builderは、遠隔地にある計測/制御ハードウェアで取得したデータを、Webブラウザを使ってモニタリングしたり、処理したりするもの。既に一部の機能の提供を開始しているが、今後も改良を続ける。

図 図5 現在取り組んでいるLabVIEWの開発プロジェクト 

25年後のLabVIEWの姿

 この他、25年後のLabVIEWの姿をイメージさせるようなデモもあった(図6)。大型のタッチパネルディスプレーにLabVEWのプログラム記述画面を表示させ、画面に触れたり、画面上のコンポーネントを移動させたりといった作業で、計測/制御用ソフトウェアを記述できるというもの。

 例えば、電気自動車や産業機器、自動テストシステムといったシステム全体を、抽象度の異なる表現でシームレスに示したり、ターゲットハードウェアとソフトウェアの垣根を利用者に意識させないような仕組みが盛り込まれていた。

図図 図6 25年後のLabVIEWをイメージしたデモの様子(1)。タッチパネルに触れてプログラムを記述(写真左)。計測/制御ハードウェアとの連携もさらに分かりやすくなる(写真右)。LabVIEWの画面にハードウェアの画像が表示されており、ハードウェアの画像をタッチする作業だけで、内部の処理ブロックやどのようなプログラムを実装しているかを把握したり、プログラムコードを書き換える画面に遷移できる。
図図 図6 25年後のLabVIEWをイメージしたデモの様子(2)。高い抽象度でプログラムを記述し(写真左)、異なる抽象度の記述を切り替えながら、ソフトウェアの全体像を把握できる(写真右)。

 このデモ中で、「FlexRIO」と呼ぶ同社の計測/制御ハードウェアには、ARMコアをハードIPの形で集積した、XilinxのFPGA製品群「Zynq」が使われていた。National Instrumentsは、Xilinxと密に協力して計測/制御ハードウェアの開発に取り組んでおり、Zynqの市場投入の後すぐに、このFPGAを搭載した計測/制御ハードウェアを発表できるはずだ」(NI)という。

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