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HPがPC事業のスピンアウトを検討、「webOS」事業は打ち切りへビジネスニュース

HPが、PC事業のスピンアウトを検討していることを明らかにした。タブレット端末向けの「webOS」に関連する事業も打ち切る方針だ。同時にソフトウェアベンダーであるAutonomyの買収を発表しており、今後はソフトウェア事業にも注力するとしている。

» 2011年08月23日 16時22分 公開
[Dylan McGrath,EE Times]

 Hewlett-Packard(HP)は2011年8月18日、同社のPC事業のスピンアウト(分離独立)または売却を検討していく方針であることを発表した。同社のスマートフォン/タブレットPC向けOSである「webOS」に関連する事業は、打ち切る予定だという。

 またHPは、英国のソフトウェアベンダーであるAutonomyを買収する契約に合意したことも明らかにした。買収金額は約102億米ドルだという。

 HPのCEO(最高経営責任者)であるLeo Apotheker氏は、あるカンファレンスコールの中で、「PC市場は現在、急速な変化を遂げている。当社が世界最大のPCメーカーとしての地位を維持していくためには、PC事業に対して柔軟かつ素早い対応が必要になる。当社の取締役会は既に、PC事業部(PSG:Personal Systems Group)について、スピンアウトや売却の検討に入っている。PSGの今後は、12〜18カ月の間に決定する見込みだ」と述べている。

 webOSは、HPが2010年にPalmを買収した際に獲得した事業である。このwebOS関連の事業を打ち切るという発表は、業界を驚かせた。Apotheker氏は、「苦渋の決断だったが、webOSを搭載した製品(webOS製品)の売上高が不十分だったので、やむを得なかった。webOS製品は市場の支持を十分に獲得できておらず、同製品が成長するまでには時間がかかり過ぎると判断した」と述べる。

 HPは2011年2月に、ビジネス分析企業であるVerticaを買収している。米国の市場調査会社であるTechnology Business Research(TBR)は、2011年8月18日に発表したリポートの中で、「HPはAutonomyを買収することによって、最終的には、クラウドやビジネス分析にシフトしていくのではないか。実際に、HPのApotheker氏は、今回の買収契約を締結するに当たり、今後はソフトウェア事業が同社の主軸の1つとなることを明示している」と述べた。

 世界最大手のPCメーカーであるHPの市場シェアは、デスクトップPCとノートPCを合わせて世界全体の約18%を占めている。

 HPは、2011年会計年度の売上高について、前回は1290億〜1300億米ドルと予測していたが、2011年8月18日に、1272億〜1276億米ドルへ下方修正した。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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