写真で振り返るCEATEC、ワイヤレス給電技術の“今”をここに集約 : CEATEC 2011 フォトギャラリー (5/5 ページ)
この他、上記に説明したさまざまなワイヤレス給電技術の機器開発を支える要素部品にも注目したい。具体的には、電磁誘導方式において電力を送る媒体である磁界を生成するコイルや、システム設計のさまざまなパラメータを決める電磁界解析ツールなどである。
構成としてはシンプルなコイルにもさまざまなトレードオフの関係がある。例えば、携帯電話機やスマートフォン、タブレットPCといったモバイル機器向けのコイルは、薄いことが求められる。ただ、コイルを薄型化しようと細いワイヤーを使うと抵抗成分が増え、電力損失や発熱量が増えてしまうという悪影響もある。また、利用する周波数が高くなると、表皮効果といった高周波損失への配慮も必要になる。トレードオフの関係をいかに崩すかコイルメーカー各社は、独自の巻き方を考案している。
左の写真は、TDKが展示したQi規格準拠のコイル。送電側コイルと受電側の楕円(だえん)状コイルを展示していた。右の写真は、東光が展示したQi規格準拠のコイル群。マグネット吸引型、コイル可動型、コイルアレイ型といった異なる送電側方式のそれぞれに対応したコイルを、Wireless Power Consortiumのブースで展示していた(クリックすると拡大します)。
左の写真は、スミダコーポレーションのコイル群。薄型化しつつ、損失を抑えたさまざまな巻き方を提案していた。右の写真は、日立金属のワイヤレス給電システム用シールドヨークシート「ファインメットMSシリーズ」。コイルの漏えい磁界を防ぎ、損失を抑える効果がある(クリックすると拡大します)。
左の写真は、日立金属の「ファインメットMSシリーズ」の展示パネル。右の写真は、ソネット技研の平面3次元電磁界シミュレータの展示パネル(クリックすると拡大します)。
電源ケーブルを使わずに、機器に非接触で電力を供給する「ワイヤレス給電技術」。「電磁誘導方式」や「共振結合(共鳴)方式」、「電界結合方式」――。多様なワイヤレス給電技術の最前線を紹介。
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