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» 2011年11月17日 08時00分 UPDATE

ET2011 速報:「データの知識化が1兆ドル市場を生む」、Intel組み込み事業トップが講演

ET2011の招待講演に、Intelの組み込み事業のトップを務めるTon Steenman氏が登壇。インターネットに接続される機器が扱う膨大なデータが持つ可能性を説くとともに、次世代自動販売機やアミューズメント機器のコンセプトモデルを用いて、組み込み機器の進化の方向性を示すデモンストレーションを行った。

[朴尚洙,EE Times Japan]

 「Embedded Technology 2011/組込み総合技術展(以下、ET2011)」(2011年11月16〜18日、パシフィコ横浜)のカンファレンスにおいて、Intelのインテルアーキテクチャー事業本部 副社長とインテリジェント・システム事業部長を兼任するTon Steenman氏が、「データから知識、そしてビジネスチャンスへ。〜インテリジェント時代の企業コラボレーション〜」と題した講演を行った。Steenman氏は、Intelの主力製品であるPCやサーバ向けのCPUを除いた、組み込み機器向けの製品を扱う事業のトップである。

IntelのTon Steenman氏 IntelのTon Steenman氏

 同氏は、「インターネットに接続される機器の市場が拡大している。この市場拡大に合わせて、インターネット上でやりとりされるデータの量も加速度的に増えている。そして、これらのデータをネット上で扱うクラウド型のサービスも出現している。今後、企業がビジネスを展開する際には、インターネット上でやりとりされる大量のデータ(ビッグデータ)を知識化して価値を生み出すことが必要になる」と語る。実際に、インターネットに接続される機器の台数は2015年に150億台まで拡大し、これらの機器が扱う年間のデータ容量は2020年には35兆Gバイト(35ゼタバイト)に達する見込みである。「この膨大なデータを知識化することによって1兆米ドルのビジネスチャンスが生まれるだろう」(Steenman氏)。

 今後のインターネットに接続される機器の市場拡大をけん引するのは、現在はスタンドアロンの状態で利用されていることが多い組み込み機器である。Steenman氏は、「インターネットに接続された組み込み機器が出力するデータも、価値を生み出すために知識化されるだろう。この知識を、再度組み込み機器で有効活用するには、より高い処理能力が必要になる。この処理能力向上のスパイラルによって組み込み機器はどんどんと進化して行く」とみている。同氏は講演において、組み込み機器の進化の方向性を示す2つのデモンストレーションを行った。

 1つ目のデモは、岡谷エレクトロニクスと共同開発した次世代自動販売機である。この自動販売機に搭載された65インチの透過型ディスプレイによって、商品販売用のユーザーインタフェースやデジタルサイネージなどを表示するとともに、消費者がディスプレイの後ろ側にある自動販売機内部の商品も見ることができるようになっている。また、内蔵のカメラを用いて、自動販売機の正面に立つ人物の性別や年齢層を識別し、最適な商品を提案したりコンテンツを表示したりすることが可能だ。カメラによる人物認識は、自動販売機に搭載するIntelのプロセッサ「Core i5」とIntelが「AIM(Audience Impression Metric)スイート」と呼ぶ匿名ビデオ解析ソリューションによって実現している。もう1つは、パイオニア、アクセルと共同開発したアミューズメント機器のコンセプトモデルだ。自動車の運転席を模した機器の左側には、ディスプレイメーターとステアリングが備え付けられている。そして、機器の右側には、パイオニアが開発した3Dディスプレイ「フローティングビジョン」が3画面と、22インチの液晶ディスプレイが組み込まれている。これら5つの画面を制御するためにIntelのプロセッサ「Core i7」と、アクセルのグラフィックスプロセッサ「AG10」を搭載している。このコンセプトモデルでは、ステアリングとディスプレイメーター、22インチの液晶ディスプレイを用いるドライブゲームと、3画面のフローティングビジョンによるスロットゲームを楽しむことができる。

次世代自動販売機のデモアミューズメント機器コンセプトモデルのデモ 左が「Core i5」を搭載する次世代自動販売機。右が「Core i7」を搭載するアミューズメント機器のコンセプトモデルである。

 この他に、FA(Factory Automation)機器分野のユーザーを代表して、2011年7月にIntelのプロセッサ「Atom」を搭載するPLC(プログラマブルロジックコントローラ)「Sysmac NJシリーズ」(参考記事)を発表したオムロンから、インダストリアルオートメーションビジネスカンパニーで執行役員兼オートメーションシステム統括事業部長を務める山崎眞哉氏が登壇した。山崎氏は、「今後のPLCに求められるさまざまな課題を解決するために、Intelのプロセッサを検討した。そして、PLCに必要な長期供給と、国内顧客が求める“日本品質”に対応してもらえることが分かったので採用を決めた。今後は、IA(インダストリアルオートメーション)ビジネスカンパニーだけでなく、他のFA機器メーカーなどでも、IA(インテルアーキテクチャ)の採用が広がって行くことを期待したい」と述べた。

「Sysmac NJシリーズ」を持つオムロンの山崎眞哉氏(左)とIntelのSteenman氏 「Sysmac NJシリーズ」を持つオムロンの山崎眞哉氏(左)とIntelのSteenman氏

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