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Facebook、「Sandy Bridge」を採用した10GbEサーバを本格運用へビジネスニュース

世界に約8億人のユーザーを抱えるFacebookにとって、サーバの小型化やデータセンターの低コスト化は非常に重要な問題だ。同社は、IntelとAMDのプロセッサアーキテクチャを採用した新サーバの運用を開始する。

» 2011年12月05日 13時45分 公開
[Rick Merritt,EE Times]

 Facebookは、小型化と電力効率の向上を実現したサーバを、同社のデータセンターで2012年から本格的に導入するという。新サーバには、Intelの「Sandy Bridge」アーキテクチャのプロセッサと、AMD(Advanced Micro Devices)の「Bulldozer」アーキテクチャのプロセッサ、そして10ギガビットイーサネット(GbE)を採用する。現在のデータセンターでは、Intelの「Westmere」、AMDの「Magny Cours」、1GbEを採用したサーバを稼働させている。

 Facebookでハードウェア設計部門のマネジャーを務めるAmir Michael氏(図1)は、2011年11月に米国カリフォルニア州サンタクララで開催された「Server Design Summit」の基調講演で、「Westmereや旧世代のプロセッサは、もう経済性が低下している。年が明けてもそれらをデプロイしているようでは、数千万米ドルのコストを負担しなければならなくなるだろう」と述べた。

図1 FacebookのAmir Michael氏 図1 FacebookのAmir Michael氏

 新たに採用するプロセッサは、ハーフサイズの1.5(66mm)Uスロットに収まるボードに搭載されるという。同社の現在のサーバボードは、フルサイズの1.5Uスロットが必要だった。

 新型プロセッサを搭載するボードは、10GbEポートを備えており、40GbEを介してトップオブラック(ToR)スイッチに接続する。一方、現行のボードは1GbEを備え、銅線利用の2本の10GbEを介してToRスイッチにつないでいた。

 最大電力は、従来のサーバのラックが6.5kW、新サーバのラックでは14kWだとしている。

 現在、Facebookは米国にある2つのデータセンターで数万台のサーバを稼働させている。同社は約8億人に上るユーザーに対応するため、3つ目のデータセンターをスウェーデンに建設中だという。

 同社は、高効率データセンター構築を業界全体で推進するための取り組みである「Open Compute Project」を通じて、同社の全てのサーバとデータセンターの設計を公開している。

 Michael氏は、「この技術を他社とも共有できれば、当社が独自に大規模なエンジニアリングチームを持つ必要はなくなる。データセンターのインフラ整備には高いコストが掛かるが、それを削減できればWeb関連の新興企業も参入しやすくなるのではないか」と語った。

 またFacebookは、EDAやテストツール、プロトタイプ製造などに同社が支払っている高いコストを掛けずに、世の中のエンジニアがサーバの設計や開発を行える環境を整備することも目指しているという。

 Michael氏は、「マザーボード1枚を開発するにも数万米ドルものコストが掛かる。当社は、そのコストを引き下げられるか試みたい」と付け加えた。現時点では、個人で仕事をしているエンジニアには高いコストの障壁が立ちはだかっており、同社のサーバの設計開発プロジェクトに参加できないのが実情だという。

 同氏は今回のServer Design Summitで、半導体ベンダーやシステムベンダーから注目を集め、数々の質問を受けた。一部のベンダーからは、「Facebookのサーバの設計はSNS(Social Networking Service)向けに最適化されているため、SNS以外の大規模なデータセンターやその他のアプリケーションでは、設計もニーズも異なっている」という指摘もあった。

 Intelのクラウドインフラストラクチャグループでゼネラルマネジャーを務めるJason Waxman氏は、別の基調講演で「新しいサーバプラットフォームが急増し、自社のサーバに最適なプラットフォームを見つけることがますます難しくなっている」と述べている。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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