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» 2011年12月14日 07時45分 UPDATE

無線通信技術 マイクロウェーブ展2011:「スマフォやEV、LED照明のノイズ対策に効く」、新型測定器がお目見え

高周波システムの開発に不可欠な計測器であるスペクトラムアナライザ。近年は「シグナルアナライザ」や「リアルタイムスペアナ」と呼ばれる高機能機が製品化されている。そうした中、アドバンテストはユニークな機能を備えた新機種を「クロス・ドメイン・アナライザ」として投入した。

[薩川格広,EE Times Japan]

 アドバンテストは、2チャネルの高周波信号の位相差を同期を取りながら測定できるスペクトラムアナライザ(スペアナ)「U3800シリーズ」を高周波技術関連の展示会「マイクロウェーブ展 2011」(2011年11月30日〜12月2日、パシフィコ横浜で開催)に出品した。このような機能を実現したのは、「単体測定器としては世界初だ」(同社)という。同社は従来から2チャネル入力ポートを備えたスペアナを製品化していたが、位相差の同期測定には対応していなかった。

 新シリーズの機能により、電波の反射などによって生じるマルチパス成分の時間差や、電子部品から発するノイズの電界輻射(ふくしゃ)と磁界輻射など、EMI(電磁雑音)対策に必要な測定が簡単に行えると説明する。2011年6月に発売した製品だが、展示会での出品は今回が初めてである。

図1 ミリ波帯まで2系統の無線信号の位相差を可視化できる U3800シリーズの最上位機種で、測定周波数の上限が43GHzとミリ波帯までカバーする「U3872」を使って実演した。信号発生器から出力したミリ波信号を無線伝送し、2系統の無線伝搬経路の一方に小型扇風機を置いてオン/オフし、その外乱の有無によって測定画面の位相差が変化することを見せていた。(クリックで拡大)

 さらにU3800シリーズでは、2チャネルの高周波信号を比較分析する「X math(クロス・マス)機能」も新たに追加した。2チャネルの信号の波形を単一の座標平面上に重ね合わせて表示する機能である。「信号間の位相差などが一目で分かり、測定効率が著しく向上する」(同社)。スマートフォンなど部品実装密度が高い端末の他、電気自動車(EV)やLED照明のインバータなどにおいて、ノイズ源の特定が容易になるという。

図2図3 左はU3800シリーズの測定画面の例。横軸に時間をとって、縦軸に2チャネルの位相差や信号電力などを表示できる。右は測定画面の拡大写真。(それぞれクリックで拡大)

 なお同社は、このように2チャネルの高周波信号の時間と振幅、周波数、位相をユーザーが任意に選択して、測定/比較できることから、U3800シリーズを「クロス・ドメイン・アナライザ(Cross Domain Analyzer)」と呼ぶ。現在、測定周波数の上限が異なる3機種を提供中だ。3GHzの「U3841」と8GHzの「U3851」、43GHzの「U3872」である。価格は、3GHz機が250万円から、8GHz機が320万円から、43GHz機が480万円から。

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