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年収は額で米国・伸びで中国が首位、日本は自己評価と会社満足度が低いエレクトロニクスエンジニア給与/意識調査 2011年

EE Times Japanが世界各地域のEE Timesと共同で毎年実施している調査の最新結果を報告する。各地域のエレクトロニクスエンジニアの平均年収を円に換算すると、上位から順に米国、日本、欧州、インド、中国で、前年と並びは変わらない。ただし円高の進行で、日米の差は縮まり、日欧の差は広がった。

» 2012年01月13日 10時55分 公開
[EE Times Japan]

 日本と米国、欧州、中国、インドの5地域の比較を含む「EE Timesエレクトロニクスエンジニア給与/意識調査」の結果がまとまった。この調査は、エレクトロニクスエンジニアの給与をはじめ、待遇や仕事に対する満足度・意識の把握を目的として、EE Times Japanが各地域のEE Timesと共同で毎年実施しているもの。今回報告するのは、2011年9〜11月にかけて実施した最新の調査の結果である。なおこの調査の日本単独の結果については既に2011年12月にリポートしており、今回は残る4地域との比較結果をお伝えする。

図1 世界主要5地域のエレクトロニクスエンジニアの比較 図1 世界主要5地域のエレクトロニクスエンジニアの比較

 図1に示す通り、各地域の平均年収を円に換算すると、上位から順に米国、日本、欧州、インド、中国となり、これは前年と変わらない。米国と日本は、現地通貨ベースではそれぞれ前年から10.3%、2.4%の増加と伸び率に差があるが(図2参照)、円高ドル安が前年よりさらに進行していることから、円ベースでみると米国は3万円の増加にとどまり、17万円増えた日本に対して額面の差は縮まっている。欧州は金融危機の影響に加えてユーロ安もあり、円ベースで前年比40万円減少。日欧の差は拡大した。

 中国とインドの平均年収は、先進3地域に比べてまだ低い水準にとどまっている。円ベースで金額を比較すると中国は前年比20万円の増加だが、インドは同16万円の減少だった。両地域の平均年齢は先進3地域と比べて11〜16歳程度も若く、平均職務年数も約9〜15年短い。相対的にエレクトロニクスエンジニアの年収が低い構造が続いている。

図2 平均年収の伸び率 図2 平均年収の伸び率

 平均年収の伸び率については、図2のように、前年にリーマンショックの影響を引きずっていた米国は今回、確かな増加傾向に転じた。日本は微増しているが、回答者の平均年齢も約3歳高まっている。金融危機に直面する欧州は、前年から一転、減少傾向になった。中国とインドは増加傾向が続いており、今回は特に中国が大きく伸びた。最近、オフショア開発の委託先として両地域のコスト高が指摘されており、それを反映した結果だといえる。

図3 主要5地域のエンジニアの満足度など 図3 主要5地域のエンジニアの満足度など

 図3から読み取れるように、前年に続き日本のエンジニアの自己評価は他の地域に比べて低い。ただし「自分のキャリアに満足」「スキルは他のエンジニアと同等以上」がともに前年から5ポイント増加し、他地域との差はやや縮まっている。

 日本のエンジニアは、会社の「先進性」も他地域に比べて評価が低い。この傾向も前年と同様だ。5項目中、「技術は最先端」「機器は最新」「革新性や創造性に注力」「革新的な成果に報いる」の4項目が最低評価で、それぞれ次点の地域と8ポイント、22ポイント、18ポイント、23ポイントと大きな差がある。

 インドは分野横断的に高い評価が目立つ。「満足度」「尊重度」のほぼ全ての項目で前年より数ポイント以上改善しており、エンジニアという職業への実利的な見返りや社会的評価が高まっていることがうかがえる。

 中国は「満足度」や「尊重度」において5地域で最低の項目がある。平均年収が前年比18.6%増えて5地域最高の伸び率にもかかわらず、これらの評価は低くとどまっており、経済発展が続く中で、業種間や職種間のひずみが大きくなっている可能性がある。

図4 過去1年間に設計業務において環境問題に取り組むように求められたことがあるエンジニア 図4 過去1年間に設計業務において環境問題に取り組むように求められたことがあるエンジニア

 図4の結果は、日本の比率が5地域中で最高である。前々年、前年も日本が最も高かった。環境技術への取り組みでは日本が引き続きリードしている。

図5 設計業務において環境問題に取り組む必要性のある案件が増加 図5 設計業務において環境問題に取り組む必要性のある案件が増加

 図5を見ると、中国とインドは減少傾向が強い。これは前年と同じ傾向だ。欧州の増加傾向が日本と米国を上回るという結果も、前年と同じである。

図6 今後1年間のうちに環境を重視した代替技術関連の仕事に専門的に取り組む可能性 図6 今後1年間のうちに環境を重視した代替技術関連の仕事に専門的に取り組む可能性

 図6の結果はどうだろうか。前年は「非常にありそう」「ある程度ありそう」の合計が5地域とも約30%だったが、今回は日本と米国が20%台半ばに低下している。他の地域も減少傾向だった。


調査方法

[日本]

  • 対象:アイティメディアが発行する「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」の読者
  • 期間:2011年10月4〜23日
  • 有効回答者数:993件

[米国、欧州、中国、インド]

  • 対象:EE Times各地域版のメールマガジン読者
  • 期間:米国2011年9月19〜29日、欧州2011年9月14〜29日、中国2011年9月19日〜11月7日、インド2011年9月19日〜11月5日
  • 有効回答者数:米国2180件、欧州598件、中国1274件、インド720件

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