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モバイル機器向けMEMS市場、2016年には60億ドル規模に拡大ビジネスニュース 市場動向

スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、モバイル機器向けのMEMS市場が盛り上がりを見せている。特に成長が期待されるのが、オーディオ向けMEMS製品とRF MEMSだ。

» 2012年02月24日 10時42分 公開
[Peter Clarke,EE Times]

 英国の調査会社であるJuniper Researchによると、モバイル機器に搭載されるセンサーやオーディオ、ディスプレイ、RFなどのMEMS製品の年間売上高は、2016年には60億米ドルを上回るという。MEMSを搭載したモバイル機器には、携帯電話機やPC、電子書籍リーダー端末などがある。

 同社は、「最も成長が期待されるのが、オーディオ向けのMEMS製品とRF MEMSだ」と述べている。これらは、既に開発されているものの、まだ導入され始めたばかりだという。

 Juniper Researchは、モバイル機器向けMEMSを次の3つのカテゴリに分類している。1つ目は、アクセラレータや磁力計、ジャイロセンサー(角速度センサー)のようにMEMSの搭載が確立されている分野で、2つ目が、ディスプレイやRF MEMS、圧力センサー、マイクロフォンのように導入の初期段階にある分野、3つ目が、ジョイスティックや温湿度センサー、シリコンスピーカー、ピコプロジェクタ用のスキャニングMEMSのように将来的に導入が期待される分野である。

 Juniper ResearchのアナリストであるNitin Bhas氏は、報告書の中で「MEMSセンサーは、モバイル機器の差別化を図る上で重要な要素になると予想される。MEMSセンサーを活用した機能には、位置情報サービスやナビゲーションサービスなどがある。スマートフォンやタブレット端末に搭載される機能は、今後ますます増えるだろう。これらの機能の中は、安定化制御のように既に搭載され始めているものもある」と述べている。

 高性能オーディオの音声入力では、複数のマイクロフォンを統合する必要があるとみられることから、Juniper Researchは、「モバイル機器に搭載されるMEMSマイクロフォンの数は、2016年には20億個に達する」と予測している。

 また、RF MEMSは、無線サブシステムの性能や電力効率の向上に貢献しており、同社は「2016年にはほとんどの製品に搭載されているだろう」と予想している。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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