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» 2012年02月24日 18時14分 UPDATE

ビジネスニュース 企業動向:パナソニック デバイス社が成長戦略を発表、注力3市場の売上高を4500億円に拡大

2012年1月から新体制を発足させたパナソニック。半導体や電子部品を扱うデバイス社は、モバイル機器、環境対応車、環境インフラの3市場に注力する。3市場を合計した売上高を、2015年度には2010年度の約4倍となる4500億円まで伸ばす計画だ。

[朴尚洙,EE Times Japan]

 パナソニックは2012年1月から新たな事業体制を発足させている。新体制では、従来あった5つの技術セグメントを、ビジネスモデル別に3つの事業分野に再編した。5つの技術セグメントとは、デジタル家電を扱う「デジタルAVCネットワーク」、白物家電を扱う「アプライアンス」、半導体、電子部品、電池を扱う「デバイス」、パナソニック電工、三洋電機のことで、これらを「コンシューマー」、「デバイス」、「ソリューション」に分けたのである。これらのうちデバイス事業分野は、車載機器を扱うオートモーティブシステムズ社、電池を扱うエナジー社、半導体や電子部品を扱うデバイス社という3つ社内カンパニーで構成されている。

 中でもデバイス社は、旧セミコンダクター社が担当していた半導体、パナソニック エレクトロニック デバイスや三洋電機の電子部品、パナソニック電工の電子材料と制御機器用電子部品などを一括して扱うこととなった。売上高は1兆5000億円(2010年度時点)、従業員数は10万2000人、関係会社数は115社(国内28社、海外85社)と、デバイスを扱う事業体としては極めて規模が大きい。なお、パナソニックの旧デバイスセグメントで見ると、一般電子部品と半導体の売上高の合計は6461億円(2010年度時点)だった。

 表1に、デバイス社の事業体制を示した。電子部品、電子材料、半導体の他、光ディスクドライブを扱うパナソニック プレシジョンデバイスや、三洋電機の光ピックアップ事業も加わっている。

事業グループ ビジネスユニット(BU) 主な取り扱い商品
電子部品・電子材料 キャパシタBU アルミ/フィルム/タンタルなどのコンデンサ
回路基板BU 高密度基板、ビルドアップ基板
回路部品BU 角速度センサー、SAW部品、抵抗器
機構部品BU スイッチ部品
カスタム部品BU 電源、スピーカ
電子材料BU 封止材料、基板材料
制御機器BU コネクタ、リレー
半導体 システムLSI BU UniPhier
汎用LSI BU マイコン、カメラモジュール
イメージセンサBU CCDセンサー、MOSセンサー
パワー・オプトデバイスBU レーザー、LED、パワー半導体
パナソニック プレシジョンデバイス 光ディスクドライブ
三洋電機 光ピックアップBU 光ピックアップ
表1 デバイス社の事業体制と取り扱い商品

MOSセンサーの売上高は5年で8倍に

 このように“メガデバイスカンパニー”となったデバイス社にとって、2011年10月発表の事業再編計画で示した半導体事業の構造改革を進めるとともに、今後の成長を見据えた戦略も必要となっている。デバイス社社長の小林俊明氏は2012年2月20日、成長戦略の要となる施策や重点商品、注力市場について説明した。

 まず、デバイス社の基本方針としては、「グローバルNo.1のデバイス企業」となることを掲げた。そのために、世界市場でトップシェアの製品の販売比率を、2010年度の45%から2015年度には70%まで高める計画である。

 次に、3つの成長施策について、対応する重点商品を例に挙げて説明した。1つ目は、将来の柱事業を創出する同社独自のブラックボックス技術を「狙って磨く」という施策である。「狙って磨く」の重点商品となるのが、MOSイメージセンサー「SmartFSI」である。SmartFSIを用いたカメラモジュールは、一般的な裏面照射型CMOSセンサーを用いたものと比べて約30%の薄型化が可能だという。モバイル機器、医療用カメラ、監視カメラなどに、SmartFSIを中心とするMOSイメージセンサーを拡販し、2015年度には2010年度比で約8倍となる約700億円の売上高を目指す。

 2つ目の施策は、伸びる市場/地域で伸ばす商品を「狙って獲る」というもの。重点商品は、現時点での世界シェアが85%という、電気自動車/ハイブリッド車のインバータ向けフィルムキャパシタである。2015年度には、2010年度の5倍となる年間400万台の生産を目指す。2015年度時点の世界シェアは90%に達する見込み。目標達成に向けて、顧客ごとにカスタム開発している現行の製品に加えて標準仕様品を投入する予定だ。生産も、富山工場(富山県砺波市)以外に、2014年から中国の広東省で行うことを検討している。

 3つ目は、プロセス革新で競争力のある原価を「狙って造る」という施策だ。重点商品は、スマートフォン向けスイッチ部品。顧客の相次ぐ新モデル垂直立ち上げに合わせて、マレーシアや中国などの海外生産拠点を活用して最適なスイッチ部品を「狙って造る」という。現在、パナソニックはスイッチ部品の世界シェアでトップに位置しているが、スマートフォン向け製品の展開により2015年度もトップシェアを維持したい考え。

注力3市場の売上高を5年で4倍に

 注力市場としては、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器、アイドリングストップシステム搭載車やハイブリッド車に、建機や鉄道車両、二輪車を加えた環境対応車、太陽光発電システム用パワーコンディショナを中心とする環境インフラという3つを挙げた。特に、環境インフラについては、対象市場が多岐にわたるものの、成長性の視点から太陽光発電システム用パワーコンディショナにリソースを集中する方針である。

 これら3市場における2010年時点の売上高は1150億円。これを2015年度には約4倍となる4500億円まで伸ばす計画だ。

 なお、ルネサス エレクトロニクス、富士通セミコンダクターとの統合が報道されているシステムLSI事業についての説明はなかった。

 ただし、モバイル機器市場で展開する製品群の中に、イメージセンサーやパワー半導体はあったものの、2011年6月に次世代品を発表したプロセッサ「UniPhier」は含まれていなかった。パナソニックは、2011年11月の「Embedded Technology 2011/組込み総合技術展」において、次世代UniPhierを搭載したタブレット端末のコンセプトモデルを展示している(関連記事)。

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