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» 2012年07月27日 10時29分 UPDATE

ビジネスニュース:Micronのエルピーダ買収にはリスクも、アナリストが指摘

エルピーダメモリの買収を正式に発生したMicron。だが同社は、NumonyxやInoteraを買収した際に生じた数々の不測の事態をいまだに収拾できずにいるという。アナリストは、「エルピーダの買収も、全てが滞りなく進むとは思えない」との見解を述べている。

[Dylan McGrath,EE Times]

 Micron Technologyは2012年7月2日に、エルピーダメモリを買収することを発表した(関連ニュース)。だが、米国の市場調査会社IHS iSuppliは、「この買収はリスクを伴うものだ」と指摘している。iSuppliによれば、「特に、統合と技術移管が順調に進まない場合にその可能性が高い」という。

 IHS iSuppliでDRAM/メモリ部門の主席アナリストを務めるMike Howard氏は、報告書の中で「この買収契約を幾つかの主要なポイントから見ると、取引は何の問題もなく完了するように思えるだろう。しかし実際には、両社の統合は困難であり、取引を慎重に進めなければ混乱を招く恐れもある」と指摘する。

 同氏は、「Micronは過去数年間に、スイスのNumonyxや台湾のInotera Memoriesを買収したが、これらの買収ではさまざまな不測の事態が発生した。このため、Micronは現在もまだ、買収によるはっきりとした成果を出せずにいる。このように混乱している状況の中でエルピーダを買収したことから、Micronが、買収の初期段階で実施すべき複雑な統合プロセスを迅速に完了できるとは考えにくい」と述べている。

 IHS iSuppliの報告書によると、「MicronのDRAM製造能力は、ウエハー換算で1カ月当たり16万だったが、エルピーダの買収によって131%増となる37万枚に増強される。これにより、MicronはSK Hynixを追い抜いて、Samsung Electronicsに継ぐ世界第2位のDRAMメーカーとなる。なお、1カ月当たりのDRAM製造能力は、Samsungがウエハー換算で40万枚、Hynixが30万枚である」という。

 IHS iSuppliは、「Micronとエルピーダはほぼ同じ規模であるため、買収契約に伴う技術移管には、コストと時間がかかるだろう」とも指摘している。

 しかし、Howard氏は、「今回の買収で、Micronは大量の手続きや処理を行うことになるだろう。その一方で、同社の本業の発展につながるものでもある」と結論付けている。

photo メーカー別の1カ月当たりのDRAM製造能力(単位:千枚ウエハー) 左側はエルピーダが買収される前、右側は買収されたあとの製造能力を示している。 出典:IHS iSuppli

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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