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» 2012年09月19日 12時50分 UPDATE

ビジネスニュース アナリストリポート:iPhone 5のプロセッサは2GHzのデュアルコアCortex-A15、アナリストが言及

野村証券の調査部門によると、Appleの「iPhone 5」が内蔵する新型アプリケーションプロセッサ「A6」は、ARMのプロセッサIPコア「Cortex-A15」をデュアルコア構成で集積しており、クロック周波数は2GHzだという。Samsungが32nm世代の高誘電率膜/金属ゲート(HKMG)技術で製造する。

[Peter Clarke,EE Times]

 野村証券の市場調査部門(Nomura Equity Research)は、Appleの新型スマートフォン「iPhone 5」に搭載される最新アプリケーションプロセッサ「A6」に関するコメントを発表した。それによると、A6プロセッサはARMのデュアルコア「Cortex-A15」を採用しており、Samsung Electronicsが製造を担う。32nm世代の高誘電率膜/金属ゲート(HKMG:High-k/Metal Gate)プロセス技術を適用するという。

 野村証券によれば、AppleはCortex-A15ベースのプロセッサを初めて導入する企業の1つになる。Cortex-A15は、ARMがライセンス供与する最高性能のプロセッサコアである。

 なお、ARMは2012年10月30日〜11月1日に、同社最大の開発者向けイベント「ARM TechCon 2012」を、米カリフォルニア州サンタクララで開催する。

 Samsungは2011年末に、業界で初めて32nm世代のHKMGプロセスで製造したデュアルコアのARM Cortex-A15プロセッサ「Exynos 5250」のサンプル出荷を開始し、2012年夏に量産を開始する計画だと発表した。Exynos 5250は、ハイエンドのタブレット端末に向けたもので、GPUとしてARMのグラフィックスコア「Mali」を集積する。クロック周波数は2GHzで、Exynos 5250の1世代前の「Exynos」に比べて2倍の性能をうたう。前世代のExynosは、ARMのデュアルコア構成の「Cortex-A9」を採用しており、動作周波数は1.5GHzだった。

 Appleは、2012年9月13日に開催したiPhone 5の発表会では、アプリケーションプロセッサやグラフィックス性能などの詳細についてはほとんど明らかにしなかった。ただし、A6プロセッサを搭載することで、従来機「iPhone 4S」に搭載されている「A5」に比べて、「2倍のCPU性能とグラフィックス性能を提供する」(同社)ことは発表していた。

 野村証券は、A6プロセッサに関する今回の予測について、情報源を明かしていない。なお一般に、携帯電話機向けアプリケーションプロセッサのクロック周波数は最大1.5GHzである。

 Appleは、A6プロセッサのグラフィックスレンダリング機能の拡充に向け、グラフィックスIPコアの開発企業であるImagination Technologiesを傘下に収めるのではないかと予想されている。AppleのA5プロセッサは、Imagination TechnologiesのGPUコア「PowerVR SGX543MP2」を搭載していると報じられていることから、A6プロセッサは、クアッドコアの「PowerVR SGX543MP4」を搭載している可能性が高いとみられている。

 またAppleのプロセッサの製造については、TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)は2011年に、AppleのA6プロセッサを受託するのではないかと報じられた。その時点では、A6は28nmプロセスを適用したクアッドコアプロセッサとして設計され、まずAppleのタブレット「iPad」の第3世代機に搭載されることになるとうわさされていた。

 さらに最近になって、TSMCが20nmプロセス技術の実用化に取り組んでおり、2013年第2四半期にも20nmプロセスで製造したプロセッサをAppleに提供するという予測も報じられた。iPhone 5に搭載されるA6プロセッサの供給元が、野村証券のアナリストが予測したように、Samsungただ1社だけになるとすれば、このTSMCに関するうわさが真実味を帯びてくる。

Cortex-A15のアーキテクチャ ARMの「Cortex-A15 MPCoreプロセッサ」のアーキテクチャである。出典:アーム

訂正あり 記事初出時、本文の第5段落で、「従来機『iPhone 4S』に搭載されている『A5X』に比べて」としていましたが、「A5X」は「A5」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。なお本記事は、すでに本文を修正済みです。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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