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» 2012年10月22日 10時19分 UPDATE

ビジネスニュース オピニオン:日本はテレビ市場から脱却すべき?

中国のテレビ市場で日本メーカーの不振が続いている。だが、その原因は、日本と中国の間で続いている政治的緊張だけにあるのではない。

[Junko Yoshida,EE Times]

 日本のテレビメーカーは、中国の中秋節と国慶節の休暇期間中(2012年9月30日〜10月7日までの8日間)、売り上げを大きく落としたことが明らかになった。同期間中、日本の家電メーカー8社の中国での合計市場シェアは、2011年の30%から18%に急落した。

 今回売り上げが急落したのは、尖閣諸島(中国名、釣魚島)の領有権問題の影響によるものと考えられる。日本政府が2012年9月11日に尖閣諸島の3つの島を国有化したことで、中国国内で激しい抗議活動が勃発し、日本製品のボイコットにつながった。尖閣諸島の国有化は、東京都の尖閣諸島購入計画に端を発し、最終的に日本政府が地権者から購入する形で決着した。

 中国での日本製テレビの売り上げは、昨年に比べて40%以上減少している。一方で、この休暇期間中、中国の大手テレビメーカーは愛国精神に訴えるさまざまなキャンベーンを展開し、シェアを伸ばしている。

 中国の市場調査会社であるAll View Consultingによると、同期間中、Samsung ElectronicsやLG Electronicsなどの韓国メーカーも中国での売り上げを10%以上伸ばしたという。

mm121022_tv_fig01.jpg 中国テレビ市場における売上高のシェア 出典:All View Consulting

 日本ブランドの中で、中国での売り上げを最も落としたのはシャープで、出荷台数が60%以上も減少した。ソニーも、出荷台数が40%以上落ち込んだという。

 日本の自動車産業も尖閣諸島問題による騒動の影響を受け、中国での売り上げを大きく落とした。トヨタ自動車の中国での売上高はほぼ半減し、ホンダの売上高も40.5%減少したという。日本の自動車メーカーが中国で大きな打撃を受けたことについて、ロイターは、自動車アナリストの遠藤功治氏の発言を引用して、「在庫は増え、工場は稼働率を抑えている。ディーラーはまったくの不振だ」と伝えている。

 だが、日本のテレビメーカーが直面している中国での市場シェア低迷は、日本の自動車業界の不振よりも、ずっと深刻だ。ただし、中国で日本製テレビの売り上げが大幅に減少している原因は、日本と中国の間で続いている政治的緊張だけにあるのではない。

 その主な要因は、中国のテレビメーカーが、薄型テレビの品質と機能において、ライバルである日本のメーカーに追い付いたことにある。

 日本のテレビメーカーは、この事実に向かい合うべきだ。日本のブランドは、以前ほどテレビの付加価値を高められていない。日本メーカーのほとんどは、テレビを販売すればするほど赤字を出すことになると言われている。日本は従来のテレビ市場に固執すべきではない。

 日本をテレビ事業から排除しようとしているのは、中国ではない。日本の家電メーカーは、次の一歩を踏み出すべきなのだ。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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