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CPUコア業界に地殻変動、MIPSをImaginationが買収ビジネスニュース 業界動向

モバイル向けグラフィックスコアのImagination Technologiesが、CPUコアのMIPS Technologiesを買収する。買収金額は6000万米ドル。それと別にMIPSは、所有特許の8割超を、特許保持企業をメンバーとする業界コンソーシアムに3億5000万米ドルで売却するという。

» 2012年11月06日 18時55分 公開
[EE Times Japan]

 モバイル機器向けグラフィックス処理に強みを持つ英国のIPコアベンダーImagination Technologies(イマジネーションテクノロジーズ)が、CPUコアの大手ベンダーである米国のMIPS Technologies(ミップス・テクノロジーズ)を買収する。

 MIPS Technologiesが2012年11月5日(米国時間)付で発表した資料によれば、今回の買収スキームは以下のようになる。MIPSは、特許保持企業をメンバーとする業界コンソーシアム「Allied Security Trust(AST)」の一機関であるBridge Crossingに対し、自社が所有する特許の一部を売却する。具体的にはMIPSが所有する580件の特許のうち、498件を3億5000米万ドルで売却するという。MIPSは、独自のCPUアーキテクチャである「MIPSアーキテクチャ」の主要部分を担う残りの82件の特許と、売却する498件の特許の無償永久使用権を引き続き保持する。加えてMIPSは、所有権を手元に残す82件の特許の下で、Bridge Crossingに対して制限内でライセンスを供与する予定だという。

 Imagination Technologiesは、MIPSとBridge Crossingとの間の特許の売買完了を前提として、MIPSの経営権の他、前述の82件の特許と、MIPSの残り全ての所有特許のライセンス権を6000万米ドルで買収する。

 MIPSによると、同社の共通株1株当たりの手取り額は7.31米ドルとなる。これは、2012年4月11日に「MIPSが売却先を探している」と初めて報道された日の終値と比較し、約40%上乗せされた金額に相当するという(MIPSの特許・事業売却の動きについて触れた参考記事)。

 なお、ロイター通信は2012年11月6日(米国時間)付の記事の中で、MIPSから特許を買い受ける業界コンソーシアムに、CPUコアベンダー最大手であるARM Holdingsが参加していると伝えている

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