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» 2013年02月22日 15時06分 UPDATE

無線通信技術 Mobile World Congress(MWC):LTEブロードキャストとM2M向けSIMチップ、EricssonがMWC 2013で展開

大手基地局メーカーのEricssonは、HEVCやMPEG-DASHを用いたLTEブロードキャストサービス、M2M向けに開発中の書き換え可能なSIMチップなどを、「Mobile World Congress(MWC) 2013」で出展する。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

 携帯電話の国際展示会「Mobile World Congress(MWC) 2013」(2013年2月25〜28日、スペイン・バルセロナ)には、携帯電話キャリアや端末メーカーだけでなく、基地局メーカーも出展する。EricssonもMWC 2013に参加する基地局メーカーの1つだ。同社の出展概要を、エリクソン・ジャパンでCTO(最高技術責任者)を務める藤岡雅宣氏が紹介した。会場では「マルチスクリーンTVソリューション」や「M2Mソリューション」、「WebRTCソリューション」などについてのデモや展示が予定されている。

同一コンテンツをさまざまな端末で視聴

エリクソン・ジャパンの藤岡雅宣氏 エリクソン・ジャパンの藤岡雅宣氏

 藤岡氏はまず、放送システムと通信システムの融合について触れた。現在、映像サービス(コンテンツ)をさまざまな端末で視聴できるようになっている。家庭にあるテレビなどの大画面スクリーンをはじめ、PCやスマートフォン、タブレット端末など、スクリーンサイズは違ってもさまざまな端末で、同じサービスを受けられる。さらに、Ericssonとしては、スマートフォンやタブレット端末でシステムをコントロールするオンデマンドサービスも考えているようだ。

 これらのサービスを可能とする技術の1つがeMBMS(evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)である。LTE通信を利用した放送型サービスで、「MBMSの機能自体は3G時代からあったが、あまり使われていなかった」と藤岡氏は述べた。上りと下りで別の周波数を使うFDD(Frequency Division Duplex)方式のLTEでは、最大60%の帯域を放送用に使えるなど無線通信のリソース割り当ては柔軟である。

 その受信機の対象はスマートフォンやタブレット端末、M2M(Machine to Machine)などが想定されており、具体的なアプリケーションとしては、ストリーミングなどの画像系サービス、ニュースなどのリアルタイム配信、野球場やコンサート会場などにおける関連情報配信などがある。世界的な商用化は2014年が予定されている。

 Ericssonが提唱しているLTE ブロードキャストのソリューションでは、動画圧縮規格の1つであるH.264/MPEG-4 AVCに続く、HEVC(High Efficiency Video Coding:H.265)と呼ばれる新しいコーディング技術や、ストリーミング専用のプロトコルの1つであるMPEG-DASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)技術などを用いている。

 さらに藤岡氏は「これからのサービスは、ブラウザ(Web)をベースとしたコミュニケーションに移行する。スマートフォンの利用環境を一変させる要因になるだろう」と指摘する。これが実現すると、例えば利用者は「iOS」や「Android」といったOS環境に依存するのではなく、オープンなブラウザ上でさまざまなアプリケーションサービスを受けられるようになる。

M2M向けの書き換え可能なSIMチップ

 モバイル通信技術を応用した新たなサービスという観点では、M2Mなどで用いられる組み込み機器にSIMチップを持ち込もうという動きがある。ただし、従来の組み込み機器向けSIMチップには課題があった。SIMチップを出荷する時点でキャリアが決まってしまうことである。とりわけ、デジタルカメラやゲーム機、自動車などでは、出荷時にキャリアが固定されてしまうとシステムの柔軟性が得られなくなってしまう。

 これに対してEricssonは、携帯電話キャリアの業界団体であるGSMA(GSM Association)などと協力して、利用する際にデータをダウンロードして実装できるeSIM(embedded SIM)と呼ぶチップの標準化に取り組んでいる。新たに提案されているM2M向けSIMチップは、データを書き換えられる埋め込み型のもので、外形寸法も5×6mmと小さい。車載モジュールなどで利用できるように、温度耐性や振動耐性、衝撃耐性などを高めている。また、スマートメーターなどの用途を考慮して、データ保持期間の延長や書き込み耐性を強化している。藤岡氏は、「車載モジュールなどの用途では、工場出荷時にeSIMを組み込んでも、利用する国や地域に応じて、車両購入後にキャリアを選択できるようになる」と語る。

 EricssonではVolvo carsグループと7年契約を結び、「ビークル・クラウド・システム」の開発と検証を行っている。同システムでは、Ericssonのコネクテッドヴィークルクラウドと連携して、運転手や同乗者が車両内にある端末を使ってクラウドシステムのサービスを利用できる。

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