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» 2013年04月18日 15時00分 UPDATE

ビジネスニュース 企業動向:認証機関からビジネスパートナーへ、UL Japanが新戦略

UL Japanは、これまでの「第三者認証機関」という位置付けから、エネルギー関連技術や日本が先行する材料技術などの先端技術分野にフォーカスしつつ、顧客が国際競争力を高めるための「ビジネスパートナー」へと事業の方向性をシフトしていく。

[馬本隆綱,EE Times Japan]
UL Japanの社長を務める山上英彦氏

 UL Japanは2013年4月16日、2013年度の事業戦略について東京都内で説明会を開催した。同社は第三者製品安全認証機関である米ULの日本法人で、これまでの「第三者認証機関」という位置付けから、エネルギー関連技術や日本が先行する材料技術などの先端技術分野にフォーカスしつつ、顧客が国際競争力を高めるための「ビジネスパートナー」へと事業の方向性をシフトしていく考えである。


tm_130417ul01.jpg UL Japanの社長を務める山上英彦氏

 UL Japanの社長を務める山上英彦氏は、まず2012年におけるULグループの活動を振り返り、「M&Aの継続による事業領域の拡大を図った」と述べた。2009年から2013年1月末までにULが買収した会社は合計で28社に達する。このうち14社は2012年に買収した企業である。

 さらに、2012年は重点市場における戦略を見直し、日本における戦略「Japan Strategy」も再定義したという。日本戦略で重点的に取り組む分野として大きく3つを掲げた。「エネルギー分野」、「日本が世界をリードする分野」、そして「日本の市場/消費者に向けた安全性のさらなる向上」である。2013年はこうした戦略を実践していくことになる。

 かつて日本企業が強い競争力を保持していたAV機器は、市場が成熟するのに伴って製品はコモディティ化した。そして価格競争が激化することによって日本企業の競争力は低下した。こうした中で、日本における技術開発のターゲットは先端分野へと向かっている。例えば、電気自動車や蓄電池、太陽光発電といった「エネルギー関連技術」、機能材料や高機能プラスチック、医療/ヘルスケアといった「日本が世界をリードしている技術」である。これらの分野は市場規模こそまだ小さいが、これから高い伸び率が期待される領域である。

 UL Japanはこれまで、日本企業が北米市場に製品投入する際に必要な安全規格の認証取得を支援してきた。これに対して、2013年の重点戦略の1つとして取り組む「日本の市場/消費者に向けた安全性のさらなる向上」は、企業が日本市場に向けた製品を開発する際に、全世界のULグループが保有する知見を積極的に活用することで、安全や安心に関わる課題を比較的容易に解決してもらおうという狙いがある。例えば、ホルムアルデヒドなど室内の化学物質の検証/評価を行う室内空気環境(シックハウス)への取り組みがある。すでに北米やドイツには室内空気環境に関する研究拠点を設けており、最近は中国にも開設した。山上氏によれば、「室内空気環境への取り組みについては、日本でも新たな動きを近く紹介できる見通しだ」という。

tm_130417ul02.jpgtm_130417ul03.jpg (左)日本の技術戦略はエネルギー関連技術など先端技術へと向かう (右)北米向け製品に加え、これからは国内向け製品開発にもULグループが保有する知見を積極的に活用することが重要となる (クリックで拡大) 出典:UL Japan

 山上氏は、2013年における事業戦略の方向性についてもその概要を示した。「第三者認証機関としての業務はこれからもきちっと行っていく。それに加えて2013年より顧客が国際競争力を高めていけるようなビジネスパートナーへと変わっていく必要がある」と述べた。その一例として、「ULグループが保有する知見を顧客に提供していく」、「一部の顧客と共同でパイロットプロジェクトに取り組む」、「安全に関する評価基準やその達成方法、認証基盤などをゼロから作り上げる」などの項目を挙げた。

 パイロットプロジェクトとしては、食品の包装材やペットボトルなどに用いられる「バイオマス素材」、小型風力発電など「再生可能エネルギー」、比較的小容量の「蓄電池/蓄電システム」、などにおける安全基準の研究や規格化作りを、国内の顧客と協力して推進していく考えだ。こうした活動の成果として、「顧客が新たな価値を創出して、技術的優位性を確保できるようにしたい。これこそが顧客の国際競争力を高めていくことになる」と同社ではみている。

tm_130417ul04.jpgtm_130417ul05.jpg (左)2013年より顧客が国際競争力を高めていけるようなビジネスパートナーへと位置付けが変わっていく (右)事業化に向けて、一部の顧客と共同で推進していくパイロットプロジェクトの一例 (クリックで拡大) 出典:UL Japan

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