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» 2013年05月22日 09時00分 UPDATE

ビジネスニュース 企業動向:受動部品、ディスクリートを削減する超低価格FPGAなどで日本市場を狙うシレゴテクノロジー

シレゴテクノロジーは日本でのビジネスを本格化させる。複数のディスクリート/受動部品をワンチップに集積する目的の超低価格FPGAなど独自色の強い製品展開で、顧客獲得を目指す。

[竹本達哉,EE Times Japan]
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 北米を中心に大きく売上げを伸ばすファブレス半導体メーカーのシレゴテクノロジーが日本に本格上陸した。シリコンタイミングデバイスや、複数のディスクリート/受動部品をワンチップに集積する目的の超低価格FPGAなど独自色の強い製品展開で成功しているビジネスモデルで日本での顧客獲得を目指す。


tt130522SILEGO02.jpg シレゴテクノロジーの年間製品出荷数の推移 (クリックで拡大) 出典:シレゴテクノロジー

 2001年に設立したシレゴテクノロジーは右肩上がりの成長を遂げている。本格的に製品を投入し、「実質的な創業時期」(マーケティング担当バイスプレジデントのJohn McDonald氏)という2007〜2008年以降の成長は特に目覚ましい。2009年当時の製品出荷数は1000万個程度だったが、2012年の年間出荷数は2億6900万個とわずか3年間で20倍以上の成長を遂げた。2013年も2012年比2倍近い年間5億個に迫る製品出荷を見込む。

 成長を支えるのは、独自性の強い製品展開だ。シレゴテクノロジーは現在、4つの製品群を展開する。コンフィギュアブルミックスドシグナルIC(CMIC)と呼ぶミックスドシグナルFPGA製品、MOSFETなどのパワーコントロール製品、タイミング製品、USBバッテリーチャージャーなどのインタフェース製品の4つだ。一見、これら4つの製品群は、全く関連性がなく、開発、製造、販売のいずれの事業フェーズでも効率が悪いように思える。だが、4つの製品群は、しっかりとした共通点を持ち、それがシレゴテクノロジーの強みになっている。

 1つの共通点が、パッケージだ。4つの製品群で使用するパッケージは、QFN、DPFNといった小型、低価格の標準パッケージに統一している。そのため、4つの製品群全てで同一の組み立て、テストラインが使用でき、コスト効率の高い製造が可能になる。McDonald氏は「同一パッケージで大量生産することにより、より多くの技術蓄積ができ、高品質を維持しやすい。実際、2012年の不良率は0.1ppmを下回っている」という。

 もう1つの共通点が、開発コンセプトだ。シレゴテクノロジーの開発する製品は、全て同じユーザーメリットを実現するために開発している。その開発コンセプトは、「部品点数/消費電力/実装面積/製造開発コスト/開発期間の5つを同時に削減する」というものだ。この開発コンセプトの象徴といえるのが、CMICと呼ぶミックスドシグナルFPGA「GreenPAK」だ。

複数の受動部品やディスクリートを置き換えるFPGA

tt130522SILEGO03.jpg コンフィギュアブルミックスドシグナルIC(CMIC)のターゲット市場のイメージ (クリックで拡大) 出典:シレゴテクノロジー

 FPGAと聞くと大規模ロジックを実現するデバイスを想像するが、GreenPAKは全くデバイスの使用目的が異なる。GreenPAKは、ロジックよりもアナログをメインにしたプログラマブルデバイスだ。ただ、プログラマブルなアナログを実現するデバイスは珍しくない。サイプレス セミコンダクタのPSoCをはじめ、マイクロチップ・テクノロジーやルネサス エレクトロニクスなどのマイコンメーカーや一部のFPGAメーカーが製品化している。「GreenPAKは、これらのプログラマブルミックスドシグナルデバイスとも一線を画す。最も分かりやすい違いは、製品価格。他のデバイスは100円を上回るが、GreenPAKは30円以下。GreenPAKは他のデバイスと目的が異なる」(McDonald氏)という。GreenPAKがターゲットにしているのは、複数の受動部品やディスクリートデバイスを1チップに置き換えることであり、10〜30円の単価でなければならない領域だけを狙う。

 では、GreenPAKは、どのくらいの受動部品、ディスクリートを1チップ化できるのか。セールス担当バイスプレジデントのJohn Teegen氏は、「1つの例だが162個の部品で構成していた回路を、4つのGreenPAKを使い13個の部品で構成できるようになる。この例では、実装スペースは14.5cm2から1.8cm2に削減できた」という。開発期間も大きく短縮できるという。「1つの例だが、携帯電話機メーカーに対し、デモとして90分程度でプログラムしたGrennPAKが、そのまま量産品にまで使用されている」(Teegen氏)。GreenPAKは、GUIツール上で、コンポーネントを選び回路図を作成するような感覚でプログラム可能。さらに「回路図をもらえれば、72時間以内に当社が無償でデザインする」とし開発に全く手間を要さない点を強調する。さらに、他のFPGA、プログラマブルデバイスと異なる点として「ユーザーの回路ごとに異なる型番、データシートを作成し、プログラムした回路に対して保証する」とも付け加える。

tt130522SILEGO04.jpgtt130522SILEGO05.jpg GreenPAKを使用した場合の部品点数削減イメージ(左)とGreenPAKの開発環境 (クリックで拡大) 出典:シレゴテクノロジー

 GreenPAK以外の各製品も、それぞれ独自の特徴を持つ。わずか1mm角サイズのDFNパッケージで1.5Aに対応する保護回路機能内蔵MOSFET「GreenFET」や32.768KHzの水晶デバイスを0.8×1.5mmサイズWLCSPや2mm角DFNに置き換え可能な「GreenCLK」などがそろう。

tt130522SILEGO06.jpg 左から、セールス担当バイスプレジデントのJohn Teegen氏、日本法人代表の津久井裕三氏、マーケティング担当バイスプレジデントのJohn McDonald氏

 シレゴテクノロジーは、北米を中心に実績を積むこれらの製品を日本でも本格的に販売すべく、2013年2月に日本法人を設立し、5月には東京エレクトロンデバイス、菱洋エレクトロの2社と国内販売代理店契約を結んだ。日本法人代表を務める津久井裕三氏は「GreenPAKなど、幅広い用途に応用でき、その対象市場規模はかなり大きい。代理店の販売網も生かし、国内でも大きな売り上げ成長を目指したい」としている。

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