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» 2013年07月24日 15時45分 UPDATE

TECHNO-FRONTIER 2013 ワイヤレス給電技術:大電力の無線給電、産業用途でニーズが高まる

無線給電のニーズは、モバイル機器だけではなく産業機器の分野でも高まっている。「TECHNO-FRONTIER 2013」(テクノフロンティア2013)では、コンテックや昭和飛行機工業などが、産業機器向けに大電力を給電するデモンストレーションを行った。

[村尾麻悠子,EE Times Japan]
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 無線給電と聞くと、携帯電話機やタブレット端末といったモバイル機器への充電をすぐにイメージするかもしれない。だが、産業機器の分野でも無線給電の用途は高い。生産工場など水分や油分が多い環境では、無線で給電する方が、発火や感電の危険性が低くなるからだ。ただし、産業用途の場合は「kWクラスの大電力の出力が要求される」(昭和飛行機工業)という。

 「TECHNO-FRONTIER 2013」では、コンテックや昭和飛行機工業などが、大電力の無線給電システムのデモンストレーションを行った。

最大40kWの出力に対応

 コンテックの無線給電システムは、約20年前から半導体工場のウエハー搬送装置への電力供給用途などで採用されてきた技術であり、多数の実績を積む。多くの無線給電システムは、コイルとコイルを合わせることで、給電する場合が多いが、コンテックの無線給電には、コイルとコイルを合わせるスポット(定置)型以外にも、ケーブルとコイルを組み合わせたライン型のシステムがある。

 ウエハー搬送装置や自動車搬送ラインなど、従来はケーブルから集電子で電力供給していた用途で、粉じんが発生しない非接触型の給電に切り替えることができる。また、スポット型と違いライン型の給電では、移動する装置に対し、常時給電が行えるため、高価なバッテリやキャパシタを搭載する必要もない。ブースでは、約100Wの電力を無線給電する動作デモを実施したが「最大40kWの出力にも対応する」(コンテック)とし、さまざまな産業機器に対し提案を行う。

tt130723C001.jpgtt130723C002.jpg ライン型の無線給電システム「HID-M」の動作デモのようす。黒い2本のケーブルに電流を流し磁場を発生させ、移動体側に取り付けられたコイルに対し非接触給電を行う。移動体は常時給電が得られ、バッテリなどの蓄電装置が必要ない (クリックで拡大)

 なお、コンテックは、スポット型の無線給電システムも製品化済みで、バッテリが減ると自動的に送電コイルに近づき、自動充電を行う自律走行型の搬送装置のデモも実施。「自動充電の制御システムなども無線給電システムと同時に提供できる点は当社の強みの1つだ」(コンテック)。

tt130723C003.jpg タイヤの付いた搬送装置などに対し提案するスポット型の無線給電システム「HID-S」。自動で給電スポットに戻る自動充電機能など装置制御面でのサポートも提供する (クリックで拡大)

無人搬送台車向けの自動充電システム

 昭和飛行機工業は、最大出力が1kWの無線給電システム「SIPS-1000」のデモを披露した。AGV(無人搬送台車)向けに開発されたシステムで、電磁誘導方式を採用している。AGVが走る路線上の複数箇所に給電設備を設置し、その前を通るたびにAGVが無線で給電されるような、自動充電システムを構築できる。

 同社は現在、出力電力が3kWの「SIPS-3000」を開発中だ。SIPS-1000は24V系の鉛電池を給電の対象としているが、SIPS-3000ではそれに加えて48V系リチウムイオン電池やリチウムイオンキャパシタへの給電も可能になるという。SIPS-3000は、2014年4月に発売される予定だ。

mm130724tf_wireless_fig1.jpgmm130724tf_wireless_fig2.jpg デモでは、100Wの電球10個に無線で給電していた。左は、路線上に設けた給電設備で無人搬送台車を充電しているところ。充電が完了すると電球が点灯する(右)。
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