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» 2013年08月02日 21時30分 UPDATE

ビジネスニュース:鶴岡工場の閉鎖を決定したルネサス作田会長、「まだ人・モノが多い」 (1/2)

ルネサス エレクトロニクスの会長兼CEOに就任した作田久男は、「まだ人・モノが多い。大げさに言うと、(ルネサス テクノロジとNECエレクトロニクスの)トータルの売上高が1兆8000億円だったころと比べて、今の売上高レベルで考えれば3分の1くらいまでに減らさなければならない」と述べた。

[朴尚洙,MONOist]
決算説明会に臨むルネサスの作田久男氏(右)と鶴丸哲哉氏

 「まだ人・モノが多い。大げさに言うと、(ルネサス テクノロジとNECエレクトロニクスの)トータルの売上高が1兆8000億円だったころと比べて、今の売上高レベルで考えれば3分の1くらいまでに減らさなければならない」――2013年度(2014年3月期)第1四半期の決算説明会で、2013年6月にルネサス エレクトロニクスの会長兼CEOに就任した作田久男氏が、報道陣から今後の事業構造改革の方向性について質問された際の回答である。

 今回の決算説明会では、事前に報道が飛び交っていたルネサス山形セミコンダクタ(山形県鶴岡市)の鶴岡工場の閉鎖を公表するかどうかに注目が集まっていた(関連記事:旧NEC系の最先端半導体工場が瀬戸際、ルネサスが鶴岡工場の閉鎖を検討)。

決算説明会に臨むルネサスの作田久男氏(右)と鶴丸哲哉氏 決算説明会に臨むルネサスの作田久男氏(右)と鶴丸哲哉氏

 2013年度第1四半期の決算内容と同第2四半期の業績予想を同社社長兼COOの鶴丸哲哉氏が説明した後、「当社グループが目指す方向性」というタイトルで、鶴岡工場の閉鎖を含むさらなる事業構造改革が発表された。

 まず作田氏は、ルネサスの組織・個人の行動原理として、「3つの自律」と「企業価値の最大化」という考え方を紹介。特に、企業価値の最大化の中では、企業価値が経済的価値と社会的価値の掛け算で求められると説明し、「経済的価値と社会的価値、どちらかがゼロになっても企業はダメになる。今のルネサスは、経済的価値が大きく毀損(きそん)しており、これを何とかしなければならない」(同氏)と、一段の事業構造改革を進める方針を表明した。

sp_130802renesas_02.jpgsp_130802renesas_03.jpg 「3つの自律」(左)と「企業価値の最大化」(クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 ルネサスは、2010年4月の合併当初と比べて、損益分岐点を約3700億円下げ、固定費も約2100億円圧縮している。この成果についても、「それなりの努力はしているが、それ以上に売上高が落ち込んでいるので利益を出せない。対応力のあるしぶとい企業になるには、固定費を圧縮し続けなければならない」と事業構造改革を断行する決意を示した。

これまで行ってきた構造改革の成果 これまで行ってきた構造改革の成果(クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 また作田氏は、会長兼CEOへの就任から約1カ月経過した現時点におけるルネサスに対する感想として、「3社が合併したせいか、意思決定と業務プロセスが複雑で、これが事業スピードの遅れにつながっている。早期に改善したい」と述べている。

前工程3工場/3ラインの閉鎖を新たに決定

 今回発表した事業構造改革は、「事業の選択と集中」と「生産構造改革」から構成されている。事業の選択と集中については、「自動車」、「産業・ネットワーク」、「汎用」の3つの分野で、「デバイス・ソリューション」、「キット・ソリューション」、「プラットフォーム・ソリューション」という3つのソリューションを展開するという内容で、ほぼ従来の発表と変わらない。

「事業の選択と集中」と「生産構造改革」 「事業の選択と集中」と「生産構造改革」(クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 注目が集まったのは生産構造改革である。今回の発表では、2012年8月に発表した生産拠点の再編計画から、新たに前工程の3工場/3ラインの閉鎖を決めた。鶴岡工場の12インチ(300mm)ウエハーラインを2〜3年以内に、ルネサス関西セミコンダクタの滋賀工場(滋賀県大津市)8インチ(200mm)ウエハーラインを2〜3年以内に、甲府工場(山梨県甲斐市)の8インチウエハーラインを1〜2年以内に閉鎖する。

2012年8月発表の生産拠点再編計画 2012年8月発表の生産拠点再編計画(クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス
sp_130802renesas_07.jpgsp_130802renesas_08.jpg 2013年8月発表の生産構造改革。左の図が前工程、右の図が後工程(国内)である(クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 当初、鶴岡工場の12インチ(300mm)ウエハーラインは1年以内に売却する予定だったが、「交渉が非常に難しかった」(鶴丸氏)という。

 2012年8月の発表で閉鎖が決定していた鶴岡工場の5インチ(120mm)ウエハーラインは2〜3年以内、甲府工場の6インチ(150mm)ウエハーラインは1〜2年以内、高崎工場(群馬県高崎市)の5インチウエハーラインは1年以内に閉鎖する。後工程の柳井工場(山口県柳井市)は2年以内に閉鎖、山口工場(山口県宇部市)は1年以内に閉鎖、熊本錦工場(熊本県錦町)は2年以内に売却もしくは閉鎖する計画。

 これらの閉鎖や売却が決まっている6工場/9ラインの従業員数は約2700人。今後は、労働組合との交渉を経て、他工場への再配置や退職などの方向性を従業員と検討することになる。

 今回の生産構造改革により、前工程は7工場/8ライン、国内の後工程は2工場に集約される。2010年4月の合併当初は、前工程は10工場/16ライン、国内の後工程は12工場あったが、前工程は半減、後工程は6分の1にまで削減される。

 また、合併当初が約4万8000人だった従業員数は、2013年6月末時点で約3万2850人まで削減された。2013年9月末の早期退職募集が3千数百人規模であり、工場の閉鎖や売却により約2700人の全員が削減されたとすれば、2015年度末に従業員数は2万7000人程度になる見込みだ。

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