iFixitが、アップルのタブレット端末の最新機種「iPad Air」の分解を行った。それによれば、iPad Airのプロセッサ「A7」は、「iPhone 5s」に搭載されているA7よりも、やや高速化したもののようだ。
電子機器の修理マニュアルなどを公開しているiFixitは、Chipworksと共同で、Appleのタブレット端末の最新モデル「iPad Air」を分解した。その結果、搭載されている「A7」プロセッサが「iPhone 5s」よりも、やや高速化していることが明らかになったという(関連記事:iPhone 5sのプロセッサ「A7」を解析)。ただ、この他には特に目新しい変化はなかったようだ。
iPad AirのA7プロセッサ本体には、「APL5698 A7 Processor」と表記されている。一方で、iPhone 5sのA7には「APL0698」と刻印されているという。
Chipworksの担当者は、iPad Airの発売日が一番早かったオーストラリアまで行って製品を入手した。同担当者によると、「パッケージに関しては旧機種と若干異なるものの、ダイはほぼ同じものであるため、特に目立った変化はないという期待外れの結果となった。当社としては、新しいファウンドリの採用(その場合はかなりのビッグニュースだ)や、ダイサイズの縮小、配置の変更といった違いを期待していた」と述べている。
Chipworksは、iPad Airのシリコンチップに焦点を絞り、独自に分解を行った。それによるとiPad AirのA7プロセッサには、iPhone 5sのSoCと同じダイが使われているという。ただし、iPhone 5sのA7プロセッサの動作速度が1.3GHzだったのに対し、iPad Airでは1.4GHzに向上している。またピン配列も、少し異なっているようだ。
今回の分解調査から、iPad Airの構成部品は、従来機種で採用されているものとほぼ同じであるという結果になった。
iPad Airが従来機種と最も大きく異なるのは、電池がかなり小型化されているという点だろう。これにより、タブレット本体のさらなる薄型化と軽量化を実現している。iFixitによると、iPad Airの2セル電池は、3.73V、32.9WHrの性能を持つ。一方、旧機種のiPadは、大きな3セル電池を搭載し、その性能は43WHrだという。
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