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» 2013年11月06日 12時00分 UPDATE

ISSCC 2014プレビュー:ISSCC 2014の概要発表――論文数で日本は2位を維持

2014年2月に開催される「ISSCC 2014」の概要が明らかになった。ISSCCは、半導体集積化電子回路技術およびシステム集積化技術に関して、最先端の研究成果が発表される国際会議である。日本からは25件(前回は30件)の論文が採択された。

[馬本隆綱,EE Times Japan]
ISSCC 2014

 半導体集積回路技術の国際会議「ISSCC(IEEE International Solid-State Circuits Conference)」は2013年11月5日、東京都内で記者会見し、2014年2月9〜13日に米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催する「ISSCC 2014」の概要を発表した。事前プログラム(Advance Program)は11月中にISSCCのWebサイトに公開される予定だ。

 ISSCCは、半導体集積化電子回路技術およびシステム集積化技術に関して、最先端の研究成果が発表される国際会議である。今回で61回の開催となるISSCC 2014のテーマは「クラウドをささえるシリコンシステム」である。ICチップは微細化の進展により大規模な回路を1チップに集積することが可能となってきたこともあり、最近はSoCなど「システム化」への取り組みも活発となっている。

北米地域の論文採択数が、再びアジア地域を上回る

tm_131105isscc02.jpg ISSCC 2014のFar East Regional Chairを務める有本和民氏

 ISSCC 2014は会期中、4件の「基調講演」をはじめ、「プレナリーパネル」、「チュートリアル」、「アドバンスト回路設計フォーラム」および「一般論文発表」などが予定されている。論文は「アナログ」や「データコンバータ」、「ワイヤレス通信」、「高性能デジタル」、「メモリ」、「イメージャ/MEMS/医療/ディスプレイ」など、10カテゴリに分類されている。ISSCC 2014のFar East Regional Chairを務める有本和民氏は、「今回の投稿論文数は619件で、この5年間は600件台とほぼ横ばいだ。採択論文数は206件で、採択率は33.3%とほぼ同じ傾向で推移している」と話す。また、地域別の採択論文数は、北米が84件(全体の41%)で首位に返り咲いた。アジア地域は2012年に73件(同36%)、2013年に84件(同40%)となり、北米を抜いて2年連続で首位に立ったが、今回は75件(同36%)で、北米に再逆転された。

tm_131105isscc03.jpgtm_131105isscc04.jpg 直近5年間のISSCCにおける論文数の推移(左)と、直近6年間の地域別採択論文数の推移(右) (クリックで拡大) 出典:ISSCC 2014

国別論文採択数は、1位米国、2位日本、3位韓国

 採択論文数を国・地域別にみると日本は25件(前回は30件)となり、米国の82件(同73件)に次ぎ2番目である。韓国は23件(同22件)で米日に続く第3位。採択論文の産学比率をみると2014年は大学が全体の54%を占め、企業が39%、残りの7%が研究機関という割合だ。この数年はその構成比率に大きな変動はない。日本の場合、「25件の論文のうち企業より15件、大学より9件、研究機関より1件が採択された」という。全体に比べ日本の大学比率が低い理由として、「ISSCCで発表する論文は、ICチップを試作して評価する必要があり、大学で年に1回、チップを試作することは大変なこと」と述べた。10カテゴリ別の採択論文数も、前回と比べて大きな変化はなかった。

tm_131105isscc05.jpgtm_131105isscc06.jpg ISSCC 2014における国・地域別採択論文数の構成比率(左)と、カテゴリ別の採択論文数の構成比率(右) (クリックで拡大) 出典:ISSCC 2014

アジア勢は、メモリで強み発揮

 ISSCC 2014では、アジア地域から75件の論文が採択された。これをカテゴリ別でみると、アドバンスドエンベデッドメモリ関連で5件、ノンボラタイルメモリソリューション関連で5件、ハイバンド幅ローパワーDRAMで3件などとなった。有本氏は「メモリ関連の技術では依然としてアジア勢が強みを発揮する。また、バイオメディカルや次世代技術、ローパワーワイヤレス、イメージセンサーといった領域に、アジア勢のポジションがあるようだ」と分析する。

 日本からの採択論文数は25件となった。この中で注目論文のいくつかを紹介する。アナログ技術の領域では、消費電力を28%削減しリップルを88%抑えたDC-DCコンバータを東芝が発表する(講演番号は4.1)。データコンバータ技術の領域では、新しいアーキテクチャが高く評価された東京工業大学のA-Dコンバータ技術がある(講演番号は22.6)。RF技術の領域では富士通研究所がCMOS パワーアンプ技術を発表する(講演番号は3.2)。低電力デジタル技術の領域では、ルネサスエレクトロニクスが8コア構成で35600DMIPSを実現するアプリケーションプロセッサ技術を発表する(講演番号は10.2)。メモリ技術の領域では、ルネサスエレクトロニクス(講演番号は13.3と13.6)、東芝(講演番号は13.4とあ19.3)、中央大学・東京大学(講演番号は19.6)の5件が採択された。

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