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» 2013年11月13日 10時00分 UPDATE

プロセッサ/マイコン:ルネサス、RXマイコン用の新CPUコア「RXv2」を発表

ルネサス エレクトロニクスは、32ビットマイコン「RXファミリ」向けのCPUコアとして、従来のCPUコア(RXv1)の上位互換版となる「RXv2」を発表した。従来CPUコアと比べて、同一動作周波数条件で約1.25倍の演算処理性能と、40%の低消費電力化を実現する見込みだ。

[EE Times Japan]
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 ルネサス エレクトロニクスは2013年11月12日、32ビットマイコン「RXファミリ」向けのCPUコアとして、従来のCPUコア(RXv1)の上位互換版となる「RXv2」を発表した。従来CPUコアと比べて、同一動作周波数条件で約1.25倍の演算処理性能と、40%の低消費電力化を実現する見込み。ルネサスでは2014年1−3月から、RXv2を搭載したマイコンのサンプル出荷を行うとしている。


新CPU開発で、高性能化と低消費電力化に対応

 RXファミリは、産業機器やOA機器、民生機器向けのマイコンで、同社マイコン製品群の中でミドルエンドに位置付けられる主力製品ファミリの1つである。今回、より高精度なモーター/メカ制御ニーズに応えることを目的に、新CPUコアを開発。マイコンを高性能化する手法としては、動作周波数を上げる手法が一般的だが、消費電流の増大やノイズ対策の複雑化などを招くとして、高性能と低消費電力を両立できる新CPUコアの開発に至った。

 新CPUコアであるRXv2は、従来のRXv1の上位互換にあたる。RXv2では、RXv1の特長であったCISCマイコン特有の複合命令実行による高い処理能力と、RISCマイコンで培った高速化手法*)を融合させた構成をさらに進化させ、同一動作周波数あたりの演算能力を高めつつ消費電力を抑えることを実現した。

*)CISCのバイト可変長命令などにRISCの汎用レジスタマシン、ハーバードアーキテクチャ、5段パイプラインなどを加えている。

新CPUコア「RXv2」の主な仕様
最大動作周波数(目標値) 300MHz
レジスタ 32ビット×16本
命令セット概要 109種類(RXv1に対し19命令追加)
バイト単位の可変長命令(1バイト〜8バイト)
3オペランドフォーマットをサポート
エンディアンモード ・命令はリトルエンディアン
・データはバイエンディアン
(ビッグ/リトルエンディアンのどちらかを選択)
アドレス空間 4Gバイト
アドレッシングモード 12種類
(短縮レジスタ相対、ポストインクリメントレジスタ間接、
 プリデクリメントレジスタ間接、インデックス付きレジスタ間接など)
浮動小数点演算器 単精度浮動小数点演算器を搭載
(加算/減算/比較/乗算/除算命令他をサポート)
乗算器 高速乗算器を搭載
(32ビット×32ビット=64ビット)
除算器 高速除算器を搭載
積和演算器 高速積和演算器を搭載
(32ビット×32ビット+80ビット=80ビット)
性能(目標値) 2.00 DMIPS/MHz(Dhrystone2.1)以上
4.0Coremark/MHz以上
消費電流(製品での目標値) 0.3mA/MHz以下

 RXv1同様、FPU(浮動小数点演算装置)をコプロセッサとして搭載するのではなく、FPU演算時に汎用レジスタを使用する命令セットを採用。その上で、処理サイクルを短縮させて演算能力を高めた。DSP機能の強化を目的に専用アキュムレータを72ビット2本(RXv1コアでは64ビット1本)に増強し、32ビット固定小数点の積和演算にも柔軟に対応できるようにしている。これらの改良の結果、IARシステムズ社製Cコンパイラとの組み合わせた場合に、「4.0CoreMark/MHzを超える性能を実現した」(ルネサス)。

RXv2搭載RXマイコンは40nmプロセス採用へ

 RXv2は、最大300MHzという高速動作にも対応できるアーキテクチャとなっている。高速動作させた場合に生じるメモリアクセスに伴う待ち時間(Wait)を減らすことや高速分岐を目指し、AFU(Advanced Fetch Unit)を新たに搭載した。AFUは、内蔵フラッシュメモリを対象に分岐用の専用エントリを備えたキャッシュベースの命令フェッチ、データアクセス機構で構成され、メモリアクセス回数自体を削減することができる。このAFUにより、消費電力増大とWaitや分岐発生時のペナルティを緩和でき、メモリアクセス性能を高めると同時に、消費電力化を可能にした。ルネサスによると、40nmの先端プロセスとRXv2を組み合わせて使用することで、90nmプロセス採用のRXv1搭載マイコンに比べ消費電力を40%低減できるとする。

 RXv2搭載マイコンは、統合開発環境「CubeSuite+(キューブスイートプラス)」やEclipseベースの統合開発環境「e2 studio(イースクウェア スタジオ)」に対応する。RXv2搭載マイコンの市場投入に合わせて、評価ボードとOS、ミドルウェア、周辺ドライバを一括提供する「RX Software Package」の提供も行うとしている。

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