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» 2014年02月14日 10時00分 UPDATE

新技術:ガラス基板上に直径25μmの貫通孔を、毎秒200穴の速度で加工

三菱電機は、パルスCO2レーザーを用いて、ガラス基板上に直径25μmの微細穴を、毎秒200穴と高速で加工することができる技術を開発したと発表した。新たなインターポーザ(中継基板)材料として注目を集めるガラス基板上に、導通のための微細な貫通孔を高速に形成することが可能となる。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

 三菱電機は2014年2月13日、パルスCO2レーザーを用いて、ガラス基板に直径25μmの微細穴を、毎秒200穴と高速で加工することができる技術を開発したと発表した。複数のICチップをワンパッケージに集積する組み立て工程などでは、新たなインターポーザ(中継基板)材料としてガラス基板の採用が検討されている。今回開発した加工技術を用いることによって、ガラス基板上であっても導通のための微細な貫通孔(ビア)を高速に形成することが可能となる。

 複数のICチップを1つのパッケージに集積したマルチチップモジュールや、システムレベルの機能をワンパッケージで実現できるシステムインパッケージなどの実装工程では、これまでインターポーザに樹脂基板を用いるのが一般的であった。しかし、ICチップと樹脂基板とでは熱膨張率に差があり、大きい熱ストレスが加わると接合部に不具合を生じることがあった。シリコン基板を用いると熱膨張率の問題は解消されるが、その分コスト高になっていた。そこで、インターポーザとして注目を集めているのがガラス基板である。熱膨張率に大きな差がなく、電気的な絶縁性に優れ、その上、部材コストも安いからだ。ただ、微細な加工を高速に行うための技術がこれまで十分に確立されていなかった。

 三菱電機は、産業用途で多くの実績を持つ遠赤外波長(10μm帯)のCO2レーザー技術をガラス基板の加工に適用した。ただし、10μm帯のレーザー光をレンズで集光すると最小ビーム径は波長と同等レベルとなるが、実際はレンズの有効径なども影響し、加工できる最小寸法は直径40μm程度が限界といわれている。

 このため同社は、独自技術である三軸直交型CO2レーザーの特長を生かして、レーザー光の持続時間100万分の1秒レベルに短縮した。しかも、ガラス基板上に独自の表面処理を行うことで、加工時に発する熱の影響により穴径が拡大するのを抑制することができた。これらの技術を組み合わせて、板厚0.1mmの無アルカリガラスを加工したところ、最小25μmの微細な穴を形成することができた。

tm_140213mitsubishi_co2_01.jpg ガラス基板への微細加工の一例と、回路基板の実装イメージ図 (クリックで拡大)

 新開発の加工技術は生産性にも優れている。CO2レーザーは集光性に優れているため、ガルバノスキャナ(回転ミラー)を用いて、ビームを正確な位置に走査することができる。これにより、直径25μmの穴加工を毎秒200穴という速さで処理することができるという。また、直径40〜70μmの貫通孔であれば、毎秒1000穴レベルの加工速度で処理することが可能である。

 同社では今後、回路基板メーカーや電子材料メーカーと連携して、実用化に向けた研究を続けていく。また、テスト加工の体制が整い次第、サンプル加工の依頼を受け付ける予定である。

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