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中国No.1のAndroidスマホは「Xperia」、新評価システムの結果からビジネスニュース

スマートフォンの総合的な評価を行うため、中国のインターネットサービス企業やQualcommらが、新しい評価システム「Certimo」を立ち上げた。Certimoに基づき、中国で使われているAndroidスマートフォン29機種を評価した結果、ソニーの「Xperia Z1 L39h」が総合評価で最高得点を獲得した。

» 2014年02月27日 15時07分 公開
[Junko Yoshida,EE Times]

 中国では、大量のスマートフォンが販売されている。Samsung Electronicsのような世界的なブランドだけでなく、HuaweiやXiaomi(小米科技)、OPPOといった中国のメーカーの製品も多く出回っている。

 このように多くの選択肢がある中で、中国のユーザーに“最高”のAndroidスマートフォンを提供しているのはどのメーカーだろうか? 「最高のスマートフォン」とは、性能やバッテリー寿命、画面品質に優れ、Webブラウジングやメール送受信、マルチメディア体験でも高い満足度をユーザーに与えられる製品を指す。

 だが、その問いに答えるのは難しい。中国のインターネットサービス企業であるTencent、米国の技術コンサルティング企業であるBDTI(Berkeley Design Technology, Inc.)、Qualcommの3社は、2013年に「Mobile Experience Alliance」を設立し、その答えを見つけ出す取り組みを始めている。Mobile Experience Allianceは、BDTIが開発した「Certimo(Certified Mobile Experience Rating)」評価システムを基に、モバイル機器の評価を行う会員制の団体組織である。

 Mobile Experience Allianceは2014年2月23日、29機種のAndroidスマートフォンについて、初めてCertimoで評価した結果を発表した。今回は、中国のユーザーを対象としている。TencentのWebサイトqq.comにも、CertimoによるAndroidスマートフォンの評価結果が掲載されている。

ソニーの「Xperia Z1」(クリックで拡大)

 Certimoによる総合評価で最高得点を獲得したのは、ソニーの「Xperia Z1 L39h」だった。第2位はSamsungの「GALAXY Note 3」で、第3位にはソニーの「Xperia Z Ultra XL39h」がランクインした。評価結果は、こちらから閲覧できる。同Webサイトでは、性能、バッテリー寿命、ディスプレイ品質、Webブラウジング、インフォテインメント/ゲーム/SNS、メール送受信、マルチメディア体験、そして総合評価という8つのカテゴリに分けて評価している。

Certimoによる、Androidスマートフォンの総合評価結果(一部を抜粋、クリックで拡大) 出典:BDTI

 ユーザーはこれらの評価結果を基に、自分の好みに合った理想的なスマートフォンを選ぶことができるだろう。

 例えば、バッテリー寿命を重視するのであれば、ソニーのXperiaよりもHuaweiの「Ascend Mate」の方がよい。Androidスマートフォンの中でバッテリー寿命のランキングトップ3には、中国のベンダーが並んでいる。トップのAscend Mateに続き、第2位はVivoの「Xplay」、第3位にはOPPOの「N1」がランクインした。

Certimoによる、Androidスマートフォンのバッテリー寿命の評価結果(一部を抜粋、クリックで拡大) 出典:BDTI

Certimoを立ち上げた理由

 携帯電話機のベンチマークや製品レビュー、ユーザーリポートは数多く存在する。Mobile Experience Allianceが、新たな評価システムを立ち上げる必要は本当にあったのだろうか。

 Mobile Experience AllianceのゼネラルマネジャーであるDino Brusco氏は、EE Timesに対し、「Certimoを立ち上げたのは、ユーザーとモバイル業界の双方に役立つ有意義なベンチマークシステムを作り出したいから」と話した。「携帯電話機は機能も形も似ている上に、機種が多い。ユーザーは、どのように比較すればよいのか、どのように理想的な機種を選べばよいのか、分からなくなっている」(同氏)。

 業界についても同じことが言えるだろう。携帯電話機メーカーは、自社製品をMIPS(100万命令/秒)やppiといった数値で評価しながら、競争戦略や研究開発分野、差異化の方法などを探っている。携帯電話機メーカーが、自信を持って進められる戦略を打ち出すには、自社製品のユーザー体験がどの程度の位置にいるのかを知る必要がある。

【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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