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» 2014年03月12日 12時55分 UPDATE

センシング技術:日本にデザインセンター設置へ、amsが国内車載/医療機器市場へセンサー拡販を強化

amsは、日本市場において車載電子機器や産業機器などに向けたセンサー製品での受注拡大を目指す。全売上高に占める日本の構成比率はまだ小さいが、当面は12〜15%まで高めていく方針だ。また、早ければ2014年中にも日本にデザインセンターを設置する計画も明らかにした。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

 amsは2014年3月11日、半導体センサーの事業戦略について東京都内で記者説明会を開催した。特に、日本市場においては車載電子機器や産業機器などに向けたセンサー製品での受注拡大を目指す。全売上高に占める日本の構成比率はまだ小さいが、当面は12〜15%まで高めていく方針だ。また、早ければ2014年中にも日本にデザインセンターを設置する計画も明らかにした。

 amsは、高性能アナログICに強みを持つ半導体メーカーで、ホール効果を利用した磁気センサー(ホールセンサー)や、パワーマネジメントIC、照度センサー、カラーセンサー、センサーインタフェースなどを提供している。こうした中で、同社が特に注力するのが車載用、産業用、医療用および民生用の半導体センサー製品だ。

tm_140311ams01.jpg amsのセールス&マーケティング担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるEric Janson氏

 同社のセールス&マーケティング担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるEric Janson氏は、「スマートフォンの登場で、シリコンセンサーの研究が進み、小型で安価な製品が開発された。既に、スマートフォンには1台当たり6、7個のセンサーが搭載されている。2018年までには、スマートフォン向けセンサーの需要が年間300億個に達するだろう」と話す。

 しかも、新たなセンサーの登場に期待する。現在、スマートフォンに搭載されている主なセンサーは、イメージセンサーやタッチセンサー、MEMSマイク、ジャイロセンサー、ジェスチャセンサーなどである。これらに加え、新たなセンシング機能として注目されているのが血圧や血糖、血中酸素濃度、黄疸などを測定/検出できる医療用センサーである。これらのセンサーは、腕時計やリストバンドの形状をしたウェアラブル機器に内蔵され、一般的にスマートフォンと連動して利用される可能性が高い。調査会社によれば、ウェアラブル機器は2013年に全世界で8500万個が販売された。2015年には1億8400万個の需要が見込まれており、平均成長率は83%と大きな伸びが見込まれている。

tm_140311ams02.jpg スマートフォンに搭載されるセンシング機能(赤字表記はこれから搭載されるとみられる機能) (クリックで拡大) 出典:ams

 医療用センサーの実用化による、業界へのインパクトについてJanson氏は、「スマートウオッチで、血圧や血糖値などが測定できれば、病院ではなく自宅で療養していても、医者は患者の健康状態を遠隔地からリアルタイムでモニタリングすることができる。もし測定値に変化があっても素早く対応することが可能でなる。つまり、患者は多額の入院費用をかけずに、自宅で治療を続けられる可能性が見えてきた」という。

 さらにこれらの機能がスマートフォンでサポートされる時期についてJanson氏は、「黄疸や血圧の測定機能は2014年中に(スマートフォンやウェアラブル機器へ)搭載されることになろう。さらに高度な機能を測定できるようになるのは2015年になる」とみている。ただ、利用する環境などによっては測定データが不安定になる可能性があるため、「データの信頼性を担保するための工夫が必要」(Janson氏)となろう。

 日本市場においても、車載電子機器や産業機器、医療機器及び民生機器に向けた半導体センサー事業を積極的に展開していくが、とりわけ車載電子機器と産業機器における用途での期待が高い。「日本の電装機器メーカーは世界市場においてリーダー的存在であり、搭載するセンサーの種類や数量が増えている。産業機器では旧来のセンサーから、小型で消費電力の小さい新型センサーへの置き換えが進んでいる」(Janson氏)というのが大きな理由だ。このため、日本の顧客との開発プロジェクト案件も、既に全体の13〜14%を占めるようになった。「日本市場に本格進出して数年しか経過しておらず、日本での売り上げ構成比はまだ小さいが、いずれは12〜15%の比率を占めることになろう」(Janson氏)と期待する。

 同社は、さまざまな顧客や市場のニーズに応えるため、デザインセンターを世界7か所に設けている。Janson氏は、「次にデザインセンターを設置するとなれば日本である」と明言する。人的な確保については、「8〜12人規模のエンジニアを抱え、インタフェースの開発などを行っている企業で、その開発から撤退するようなところがあれば、その開発チームを受け入れ、当社の製品を設計してもらいたい」と話す。できれば2014年中にも日本でデザインセンターの開設にこぎ着けたい考えだ。

 また、同社は大学生をオーストリアの本社に1年間留学させ、アナログ技術を習得してもらうための人材育成プログラムも、東京大学と連携して行っている。「留学した学生が希望すれば、大学を卒業した後に当社のデザインセンターで働いてもらいたい」(Janson氏)と述べた。

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